安倍政権を支える「ネット世論」の害悪。<br />宮崎謙介、武藤貴也、上西小百合…<br />なぜ公募議員はクズが多いのか? <br />人材不足の最たる分野が「政治家」だった。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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安倍政権を支える「ネット世論」の害悪。
宮崎謙介、武藤貴也、上西小百合…
なぜ公募議員はクズが多いのか? 
人材不足の最たる分野が「政治家」だった。

作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢

 権力と世論の結託が全体主義を生み出すなら、世論とすら呼べない「ネット世論」に判断を委ねるのは、ほとんど狂気の沙汰である。

 リップマンは「引きこもっているばかりの人たち」に意見を求めてはダメだと言う。

 まさに今、ネット世界に引きこもっている人たちに、「正邪」の判断が委ねられようとしているのだ。

 

拍車をかけた郵政解散

 

 女房の出産入院中に不倫していた宮崎謙介、未公開株をめぐる金銭トラブルを起こした武藤貴也、「マスコミを懲らしめる」発言の大西英男、国会をさぼり秘書と旅行に行った上西小百合……。彼らの共通項は公募議員である。なぜ公募で集まる人間はクズが多いのか?

史上もっとも情けない不倫謝罪顔で有名になった宮崎謙介元議員。

 実は公募制度の乱用とネット世論の過大評価という現象は密接な関係がある。

 かつての政党の候補者は、地元で当選を重ねた地方議員や議員秘書、支持団体の推薦者、官僚OBが多く、人品や立ち居振る舞いがある程度見えていた。

 しかし、一九九二年に日本新党が議員の公募を始めると、他党も追従。八党派連立の細川政権下では衆議院小選挙区比例代表並立制が導入されたが、そこでは基本的に上位二政党の戦いになる。政治家個人の資質より党のイメージ戦略が重要になるので、ポピュリズムが急激に政界を汚染した。また、政治資金規制法改正により、党中央にカネが集まり、権限が拡大した。こうして公募制度による恣意的な公認が横行するようになり、話題づくりにすぎない人物、良識のかけらもない人物が政界にもぐり込むようになった。

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  • 適菜 収
  • 2016.11.16