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「北北西に進路をとれ(3)嵐山の続き」

季節と時節でつづる戦国おりおり第268回

 京都の二尊院には、戦国時代の準VIP級?の方々が眠っておられます。
 

 

 三条西家の墓所にある、前列右から時計回りに実隆・公条・実枝、公保・公国さんの墓石。
 実隆さんは貴重な記録『実隆公記』を著しこの寺院の本堂と唐門を再建した人物。公保さんはその父、公条さんはその子、実枝さんは公条さんの子で細川藤孝に古今集の「古今伝授」をおこなった歌学者、公国さんはその子です。
 ほくほく顔で二尊院を後にし、清涼寺へ。この寺院の本堂は慶長7年(1602)に豊臣秀頼が再建したものでしたが、その後焼失を経て復興されています。
 

 

 そのご縁からでしょう、1980年に大坂城三の丸跡から出土し秀頼の首と鑑定された頭蓋骨がここに葬られています。その横には大坂冬・夏の陣で死んだ人々の供養等も並び、高みから京の街を見下ろしているかのようです。

 こうして、大満足の撮影行が終了したのでした。
 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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