「なぜJリーグ王者になれなかったのか」浦和・遠藤航が振り返る2016シーズン
移籍1年目。リオ・オリンピック、ACL、チャンピオンシップ……何を感じたのか。
■チャンピオンシップ初戦、プランは明確だった
いまさら、とか、結果論だろ……と言われてしまうかもしれませんが、今回はそれを考えるうえで、このオフに振り返ったことを、チャンピオンシップを思い返しながら書いてみたいと思います。
鹿島とのチャンピオンシップ。
第一戦。プランは明確でした。
「勝ちに行く」
アウェイだから最悪、引き分けでもOKというような考えはチームにはありませんでした。それこそがここまで積み上げてきた浦和のスタイルだし、監督の哲学でもあったと思います。チームとしても特別なことはなく、だれもが「勝ちに行く」ことだけを考え、いつもどおり試合へ臨んでいきました。
個人的に思っていたことは、「勝ちに行くならば2点必要だ」ということでした。ホームアンドアウェイで行われるチャンピオンシップの主導権を一気に握るには「2点取って勝つ」ことが目標で、だからこそディフェンスの僕としては「絶対に0に抑える」という思いでいました。
試合感覚があいてコンディションの問題も指摘されていましたが、試合勘としては全員悪くない入りだったと思います。緊張は感じましたが、それがポジティブに働いているようにも見えました。前半は両チームでシュート2本とフィニッシュまで行くシーンは少なかったですが、そのぶんだけ中盤でのボールの奪い合いや球際の戦いには激しいものがありました。試合を映像で観ていないのでわからないですが、見ごたえがある攻防だったのではないかと思います。
後半、慎三さんが倒されてPKを獲得し、阿部さんが決めて先制しました。1対0となったことで有利になったという感覚はありました。そのまま試合を終えて、「これは大きい」と思ったことは確かです。もちろんこれで優勝できる、とかそういう想像をしたわけではなく、単純に大きいな、と。