“恋ダンス”やPerfumeの振付で大注目!! MIKIKOの「演出振付家」ってどんな仕事?
MIKIKOさん2月毎日更新 Q2.「演出振付家」という職業の醍醐味は何ですか。
踊り手の“チャームポイント”を引き出すのがおもしろい
楽曲の世界観を提示できることでしょうか。振付というのは、曲に対して、ゼロから動きを付けるもの。曲の最初から最後まで動きを付けるというだけではなくて、楽曲そのものを演出する気持ちで振付しています。
世界観を作るためには、歌詞をものすごく深読みしますね。裏にある情景を膨らませていきます。例えば“この歌詞は夜の設定だから、こんな服を着て、こんなことを考えて、こんな表情をしているんだろうな……”というように。
3分の楽曲のなかで、世界観を膨らませて、説明をするのが振付なので、踊り手がそれをどう受け取って、表現してくれるのかというおもしろさもあります。
作詞家は歌詞を作って、作曲家は曲を作るものですが、振付家はその両方を拾って作ることができる。例えば歌詞のなかから耳に残る「きみ」という言葉を拾ってみたり、次の瞬間にはベースの音を拾ってみたり……。選択肢がたくさんあるなかで、自分の感性で音楽をリミックスできるのもおもしろさの一つです。
そして私がテーマにしているのが、踊っている人をかわいく見せること。誰でも、踊ったときにスタイルがよく見えたり、魅力的に見える“チャームポイント”がある。振付によって、その人の一番かわいいところを引き出せたときは、ものすごく喜びを感じますね。
——踊り手のモチベーションを高めるために大切にしていることはありますか?
具体的に伝えてあげることでしょうか。「今はこうなってるから、こういう練習をすれば、もっと良くなるよ」というように、踊り手がやることを具体的にする。そして直った瞬間にものすごく褒める。それはモチベーションを高めるためというよりも、純粋にうれしいので、喜んでしまうんですよね。
振りを作った私が一番楽しんでいないと、踊り手も不安になってしまうと思うんです。だから、すごく上手になったら、「私が作ったものじゃないみたい!」「みんなが踊ってくれたおかげで最高になった!」って素直に伝える。 うまくいかないときでも、「どうしてできないの?」なんて責めたりしません。「そっか、ややこしいもんね」「私も踊れんもん」と共感して、「一緒に練習しよう」と、同じ方向に向かって努力をするようにしています。