なぜ占領軍は修身を禁止したのか
『修身のススメ』②
挨拶、箸の持ち方、食事の時の姿勢など、猫背で背中を丸めたままご飯を食べていると、幼くても注意されました。こうした作法を身につける「しつけ」を強要だなどといって取り上げられていたら、今の私はありません。
注意を受けることは楽しい思い出ではありませんが、当たり前のことをきちんとできるように厳しくしつけてもらったことが、早くに芸能界という社会に出た時に「この子ならいける!」と印象を残すことにつながったのです。
教育勅語にしても、帝国憲法にしても、この修身教科書にしても、パヨクが危険だと騒ぐのは、結局、天皇を絶対権力者だと言いたいからみたいです。天皇が国民の心の中のことまで、一神教の神様みたいに全部命令して教えを守らせるみたいなイメージです。
ですが、日本の天皇は伝統的・歴史的に、絶対権力者などではありませんでした。
たとえば、万葉集には天皇の歌も、防人(さきもり)を務める兵士の歌も、今の言葉で言えばホームレスの人の歌も、一緒に収録されています。もちろん身分や貧富の違いはあるけれど、同じ日本人という意識があったということです。
『ママは愛国』より 明日は千葉麗子『修身のススメ』③です。
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