天皇は民を宝と思い、民も天皇を慕う関係「シラス」
『修身のススメ』③
東日本大震災での原発事故をきっかけに反原発運動に参加するもその運動に疑問を持ち、運動から離れた。そのときの体験をもとに、活動や情報発信を行っている千葉麗子。日本のために何が出来るのか模索した結果、現在辿りついた“愛国”とは何なのか?子供のために、将来のために日本に今必要な事を訴える!子供のために、将来のために日本に今必要な事を訴える!『ママは愛国』集中連載シリーズ“修身”!!
無防備な塀一枚の御所に住んだ天皇
日本には大昔から「大御宝(おおみたから)」という言葉があります。日本の国の民のことです。
天皇にとって、民は「大御宝」だとずっと言われてきました。
第十六代の仁徳天皇の時(五世紀前半頃)、朝、御所から周りを見渡すと、村々から竈かまどの煙が上がっていないのを見て、仁徳天皇は「煙が上がっていないということは、民は食べるものがなくて炊事をしていないということだ。民は飢えているのだ」とおっしゃって、三年間、税を取らないことにしたという話があります。
三年経つうちに民の暮らしはずいぶん楽になり、竈から煙が上がるようになりましたが「いや、もっと民が豊かにならなければ」と天皇はおっしゃって、さらに三年、税を取りませんでした。
御所の建物が傷んできても、そのままにしておられたので、民のほうから押しかけて「税を受け取ってください」「御所を修理させてください」と言ったと伝えられています。
今の皇居はもともとが徳川幕府の江戸城で、武士の城ですから、周りには深い堀があって堅固に守られている造りですが、京都の御所はただの塀一枚です。古今東西の君主の中で、こんなに無防備な住まいの人はまずいないでしょう。
短く数えても千数百年の歴史の中で、天皇家そのものを滅ぼして自分がとって代わろうとした人はいませんでした。
天皇ではないけれど、その土地の有力者で権力者になった人、将軍や大臣などは色々いましたが、日本は王朝が交代することなく、ずっと皇室が続いています。
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