演出振付家・MIKIKOのブレない信念「万人に受けなくても、たったひとりの人生を左右するものを作りたい」
MIKIKOさん2月毎日更新 Q13.MIKIKOさんにとっての恩人は誰ですか?
広島でのダンサー時代から演出振付家への転向、ニューヨークでの留学……。Perfumeの振付師として注目を浴び、昨年恋ダンスやリオ五輪閉会式の演出で話題沸騰となったMIKIKOさんの活躍の裏にはたくさんの人によるかけがえのない支えがありました。
「これじゃ絶対通用しない」と叱咤激励をくれる大里会長
たくさんいらっしゃるので、どの方も大切ですが……中でも、広島から東京に出る背中を押してくれたアミューズの大里洋吉会長の存在は大きいですね。広島の発表会で、プログラムのなかの私が振付した演目に丸をつけてくださっていて。「私の振付をいいと思ってくれる人がいるんだ!」とそのとき初めて知ったので。東京の、エンターテイメントの第一線で活躍されている方が、認めてくださるなんて、とすごく勇気をもらいました。ニューヨークに演出の勉強に行けと言ってくれたのも会長なので、そういう意味でも恩人です。
会長は、いつも叱咤激励してくれます。「これじゃ絶対に通用しない」と言ってくれるのも会長です。すごくはっきり言ってくれるんですよ。「ニューヨークで作品をひとつ書いてこい」と言われて、日本に帰ってきて書いたものを見せたら、それはそれは叱られました(笑)。やっぱりアミューズはエンターテインメントの会社なので、「万人受け」ということを叩き込まれるんですね。でも私はすごくそれに拒否反応があって。それで自分の表現を追求する場所としてダンスカンパニー「ELEVENPLAY」を結成したということもあるんですが。私は万人に受けなくても、ひとりの人生を左右するくらい、心に刺さるものが作れれば嬉しいと思っています。それが結果、世の中に刺さるものになっていたら嬉しいなと思ってやっています。いつか会長が「完璧!」と喜んで泣いてくださるような作品を作るのが目標でもありますね。
明日の第十四回の質問は、「Q14.MIKIKOさんの人生の転機を教えてください」です。