中学入試の問題がおもしろすぎる!
大学入試改革の影響で「思考力」をはかる方向に
東京と神奈川で本日解禁の私立中学入試! そのユニークな問題の裏にあるねらいとは?
◆思考の道筋を示すことが大事
さて、設問は全部で四つ。いかに受験生の創造的思考力をはかろうとしているか、問いの“流れ”に注目して見ていきましょう。
問1は、「現在、私たちは『ジュース』『切符』など様々なものを自動販売機で買うことができます。その他に、どのようなものを買うことができますか。3つ以上あげましょう。」というもの。受験生が今すでに持っている知識を引き出す問いです。
次に問2では、「問1であげたものが売られている自動販売機は、どのような場所にありますか。また、だれが、いつ利用しますか。具体的な場面を想像して書きましょう。」というお題を出しています。ここでは、一度引き出された知識を整理して分析させています。
そして問3は、「問1、問2であげたもの以外に、もし、あなたが何かを自動販売機で売るとすれば、何を売りますか。それはなぜですか。少なくとも1つは答えること。」というもの。ここで初めて、今持っている知識や情報をもとに、「もし自分だったらどうするか」という創造力を要する問題を出しています。問2で使用した解答欄と同じフォーマットで箇条書きに近いので、問2がきちんと書けていれば答えやすいのではないでしょうか。
最後に問4。「より良い社会のために、あなたがこれから新しい自動販売機をつくるなら、どのような自動販売機をつくりますか。また、なぜそう考えましたか。理由も含めて200字以内で書きましょう。なお、問3で考えたものを使ってもかまいません。」とあります。問3までの解答を踏まえて、自分の意見を文章にしてもらいます。
問1で知識を引き出し、問2でそれを整理、問3で自分の考えを出して、問4でそれをまとめる。受験生に一番聞きたいことは問4にあるのですが、わざわざ創造的思考をするための道筋を出題者側が示していることが、この問題のポイントなのです。
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