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他人の子どもはどこまで?るべきか

【法律歳時記】親が知っておきたい「子育てと法律」

子どもを公園の砂場で遊ばせてたら、別の子が砂をかけてきた。よその子がスーパーでお菓子を自分のポケットに入れていた。こんなとき、大人はどうふるまうべきでしょうか。法律的な見地から、よその子への注意の仕方を考えてみます。

いつの時代も、親は「木」のうえに「立」って、「見」るのがよい!?

叱り方を間違えると犯罪になることも

「よその子どもを叱る」。これはとても勇気のいることだと思います。でも時には、他人の子どもであっても叱らなくてはいけない時もありますよね。方法はいろいろ考えられます。諭す、叱りつける、ゲンコツで叩く等々です。ところで、これらの方法は果たして法律的には問題ないのでしょうか。

「例えば、大人同士で殴ると暴行罪、けがを負わせると傷害罪、土下座を無理強いすると強要罪が成立しますね。当然、相手が子どもであっても同じことです。これが自分の子どもであれば、懲戒権といって一定の範囲で罰を与えることができます(民法822条)。しかし、他人の子どもの場合、このような規定はありません。子どものしつけで責任を負うのはその子の親なのです。子どもの為と善意から出た行動であっても、やり方を間違えると犯罪になってしまうことがあるのです」

そう語るのは、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士。
暴行や傷害なんて言われるとなんだか怖いですね。やっぱり、何か悪いことをしていても見て見ぬふりをした方がいい、なんて思ってしまいそうですが…。

「子どもが悪いことをしていたから叱る、これは当たり前のことです。特に子どもが違法な事をしていた場合には、きちんと叱ってあげることが必要だと思います。ただし気を付けて欲しいのは、子どもが違法な事をしていたとしても、こちらが違法な事をしても良いということにはならない、ということです。勿論、殴りかかられたので身を守ったということであれば、正当防衛といって犯罪が成立しないこともあります。しかし、自力救済の禁止といって、犯罪の被害にあった場合、基本的には警察や裁判所に任せなさいというのが原則です(正当防衛はこの例外)。つまり、お金を盗まれた際に、自分で取り返すことは基本的にはNGな行為なのです。子どもを叱るとき違法なことはしない、このことを常に頭の中に入れておいてください。」(岩沙弁護士)

 基本的には、口頭で注意するか諭すというのが、とりあえず法律的に問題ない叱り方ということなのですね。

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