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突然の背中の激痛は、腰痛じゃなく重大な病の危険性あり

上半身の危険シグナル その症例&正しい対処法

胸痛

 

 狭心症・心筋梗塞の特徴を理解すれば、発作は回避できる
 狭心症を繰り返すうちに心筋梗塞へ発展する

「急に胸が締め付けられるような痛みが発生し、30秒から15分程度で治るなら狭心症の疑いがあります。また、この症状を繰り返すうちに、心筋梗塞になるケースもありますから、早期に診断を受けることが重要です」。
 狭心症は心臓を取り巻く冠動脈が狭くなり、酸素が不足して起こる症状。体を動かした時に発症する労作性狭心症と、就寝中の早朝や安静時に起こる安静時狭心症の二種類がある。
「放置していると冠動脈がさらに細くなって心臓に血液が行かなくなり、細胞が壊死して心筋梗塞を起こします。胸に激しい痛みを感じて不整脈が起き、顔面蒼白のショック状態に陥ると、自分では何もできません。すぐに集中治療の必要があります」。  
 心臓の他にも、胸部に関しては命に関わる兆候が現れることがある。 「鎖骨下リンパ節、ウィルヒョウリンパ節に違和感やシコリを感じるのであれば、がんの転移を疑う必要もあります」。  
 素人では対処できない。すぐに診察を受けよう。 

危険な「胸の痛み」チェックリスト
□胸の真ん中が締めつけられるように痛み、30秒から15分程度で治まった(A) □胃や背中、歯、あご、左肩に痛みがあった(B)
□走ったり、階段の昇降など、体を動かした後に胸の痛みがあった(C)
□就寝中、急に胸が痛くなった(D)
□これまでに締めつけられるような胸の痛みが何度もあった(E)
□糖尿病患者または高齢者で、最近息切れで苦しかったり、動悸が激しかったりする(F)

 A、Bにチェックが入ったら狭心症が疑われ、Cは労作性、Dは安静時狭心症の可能性。E、Fは心筋梗塞のリスクが高い。 

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森田 豊

もりた ゆたか

医師・医療ジャーナリスト

医学博士。秋田大学卒業後、東京大学大学院医学系研究科を修了。東大病院助手やハーバード大学専任講師の他、いくつかの大病院で医長や部長を務めた。診療科を問わない医療解説や問題に取り組む現役医師、医療ジャーナリスト。


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