中野信子氏が指摘する。「自己暗示」には効果がある。
脳はどこまでコントロールできるか?2/7
脳をコントロールする上でもっとも重要なアイテムは「妄想」。脳科学者、中野信子先生は言う。8万部を突破し好評を博す中野氏の著書「脳はどこまでコントロールできるか」から、成功するための脳の活用方法を紹介。なかでも「妄想すること」は、成功するための重要なアイテムだ。それを最大限に活かすにはどうすればよいか。第二回。
自己暗示は、どこまで効果があるか?
成功法則の一つに「成功した人の真似をする」というのがある。果たしてこれは科学的に実証できることなのだろうか?
本題に入る前に、誰もが知っている「自己暗示」という側面からアプローチしていきたい。
自己暗示については、その効果はすでに実証されているとも言える。
「脳はどこまでコントロールできるか?」では、自己暗示の実験として、社会心理学者のエイミー・カディによる実験が掲載されている。
実験では、被験者に「強いイメージのポーズ」「弱いイメージのポーズ」の両方をとってもらい、心理学的、生理学的にどのような効果があるかを調べた。
その結果、例えば自信がない時にあえて「強いイメージのポーズ」をとると、内観的に変化があり、自身がわいてきたり、自ら喜んでリスクをとるような行動をすることがわかった。
また生理的な変化として、リスクをとる行動を促すホルモン「テストステロン」の値が上昇し、逆にストレスホルモンであるコルチゾーレのレベルが激減したと言う。
一方、「弱いイメージのポーズ」をとると、まったく逆の反応が見られた。
こうした結果から、ストレスを感じる状況では、両手を大きく広げたり、姿勢を正して背中を反らすなどすると、一定の効果があることがわかった。
カディは、こうした結果から試験や面接前などの緊張する場面では、体を大きく開いてリラックスすることをすすめている。
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