コルクよりスクリューキャップのワインの方が安物だと思っているなら大間違い!
人生を変えるワイン学 第13回
大阪のワインショップ「mista」で店長をしている、ソムリエの竹内香奈子と申します。
みなさん、ワイン栓がスクリューキャップのものは安いワインだとまだ思っていませんか?
そんなことないんですよ!
5,000円や10,000円以上するワインだってスクリューキャップのものはありますし、ニュージーランドでは90%以上のワインがスクリューキャップを使っています。
ここ数年、各国でもワインの栓がコルクではなくスクリューキャップにするワイナリーが増えてきました。
それは、スクリューキャップにはさまざまな利点があるからです。
では、どんな利点があるのでしょうか?
そこで今回は、コルクとスクリューキャップのメリットとデメリットをお伝えします。
◆コルクとスクリューキャップのイメージ
コルク栓は、抜栓を楽しめるしカッコよく開けられますが、一方で開けるのがめんどうという声も聞きます。
その点、スクリューキャップはソムリエナイフのような道具も要らず、手で簡単に開けることができますよね。
アウトドアやお家飲みにはスクリューキャップの方が便利だといえます。開けてから全部飲みきれなくても、簡単に蓋をすることもできますから。
ただ、レストランではコルク栓のワインがまだまだ人気です。
それは、やはりイメージの問題。スクリューキャップは安物ワインというイメージがあるのでなかなかレストランでは使いにくいのです。
また、コルクを抜いてサービスしたい、抜いてもらいたいという方が多いのも事実です。私もお店で飲食店の方に「このワインおいしいけどスクリューじゃなくてコルクだったらいいのになあ」という声をよく聞きます。
さて、あなたならどちらがいいでしょうか?
◆コルク栓には3種類ある
もともとワインの栓には、伝統的にコルクが使用されてきました。
コルクは、弾力性があり水をほとんど通さず、わずかな通気性があり液体を密封するのに優れています。
では、コルクにはどのような種類があるのでしょうか?
天然コルク
コルクガシの樹皮を円筒状に型抜きしたものです。長期熟成の高級ワインになるとコルクの長さが長くなっています。
天然素材であるため品質のばらつきが多く、ブショネ(不良コルクによるワインの劣化でコルク臭やカビ臭がワインにつくもの)がたまに発生することがあります。
圧縮コルク
コルクの屑を集めて圧縮し、円筒状に固めたものです。
最近はあまり使われていませんが、合成樹脂コルクができる前は低価格帯のワインに使われていました。
合成樹脂コルク
コルクに似せて作られた合成素材。ニューワールドのワインから広まり、コルク栓の代用として使われています。天然コルクは価格が高く、またブショネを防ぐために合成樹脂コルクが使われるようになりましたが、コルクに比べると抜きにくく長期保存にはあまり適していません。