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『浮気しない夫を探しているならお見合いに行け』

婚活に成功する人と失敗する人の分かれ道~スペシャル対談②エッセイスト・小林久乃×ゲイの精神科医・Tomy

 時代は日進月歩で変わっていくのに、どうしても女性が一度は立ち止まってしまう問題がある。それが恋愛、結婚、出産。それもオタク沼とタイプが似ている。一度ハマったら抜け出せないか、もしくはあっさり抜け出して新しい沼を開拓するか。そんな尽きない悩みに、ヒントが見出せるかもしれない対談を開催した。まずはフォロワー16万人超え、人気ゲイの精神科医・Tomyさん。近刊『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)が好評発売中だ。対するのは著作『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ)が各所で人気のエッセイスト・小林久乃さん(独身)。第2回は婚活の向き不向きについて。データ、理論派のTomyさんと、感情と勢い派の小林さんによる噛み合わない意見。あなたはどちらに賛同する? ※撮影は2月に行われたものです

(左)小林久乃さん(右)Tomyさん

「私、婚活をしている!」という意識を捨てないと男性は逃げるし、老けそう(小林)

  

 Tomy 「小林さんは男性を条件でチェックする派ですか?」

 小林久乃(以下:小林) 「全然です。もう経済的には自立していますから、直感を基準にしてパートナーを選んでいます。でも結婚となると、譲れない条件がひとつだけあって……」

 Tomy 「ほう、なんでしょう?」

 小林 「(結婚相手の)宗教や国籍も気にはしますけど、それ以上に譲れないのは“育ってきた環境”です。私は未婚ですけど、友人の離婚のお世話だけはたくさんしてきました。で、離婚の原因に挙がってくるものを見ていると、金銭のこと、それも実家同士の問題は大きいです。幸いなことに実家は借金のない環境で育ててもらったんです。だから、もし好きになった人に『俺、実家がど貧乏だったんだよね』と言われても、知識も経験もないから理解してあげることができないんですよ。で、そのまま結婚したら、解せぬ事項が生涯つきまとってくることになる。これは避けたい。自分側に選択肢があるなら、問題が起きそうなことはスルーしたいから、そういう人は選ばないと思います」

 Tomy 「相手に、何か“育ってきた環境”に代わるものがあればいいですよね」

 小林 「そうですね。キンプリ級に顔面偏差値が高いとか、もう私が好きで好きでしかたなくて狂っているとか。(笑)Tomy先生には条件はないんですか?」

 Tomy 「僕たちゲイの世界には結婚という制度がないから、条件は全然気にしない。あと交際するまでのスピードが男女のカップルと比べると、めちゃくちゃ早い。僕なんて、すぐに告白しますからね」

 小林 「うーん、……それは見ていて、うらやましさを感じる時もあります。みんな、気持ちに率直ですからね。年齢を重ねると忘れてしまうんですよね、あの感じ。若い頃はくっついたり、離れたり、気持ちに従っていたのにな」

 Tomy 「でもね、条件なんて “見てしまう”ことが悪いんですよ。高級ホテルで、高ビーなホテルマンがフロントで、客のことを頭の先からつま先まで、舐めるように見て持ち物チェックをしているのと同じ行為です。だから好きになるかもしれない人は、まず“感覚”で見ましょう。また会いたいかどうかとかね。それができている人は、いい人を捕まえています」

Tomyさんの著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)

  

 小林 「婚活でいういい人は究極、誠実な人です。金と女にだらしなくない人。言葉にすると簡単だけど、これがなかなかいないんです」

 Tomy 「そんなに確実な結婚を求めるなら、地味なタイプの男性を選んだほうがいいんですよ。やっぱり昔ながらのお見合いが一番ですね

 小林 「それは私も大賛成です! 著書にも書いたのですが、いわゆるお見合いおばさんみたいな人を介して出会うのは正解。私の地元で開催しているんですけど、教職を退任した先生たちが行っているんです。こんなデジタル化している時代なのに、必ず対面式で希望を確認している。おそらく人間性も見ているんでしょうね。彼らが紹介してくれる人は、やっぱり気が合ったんです。狭い街ですから、実家同士の経済状況も察知したうえで、合っている人を紹介してくれるんですよ」

 

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小林久乃

こばやし ひさの

コラムニスト、編集者

出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」(K Kベストセラーズ)にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊行)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーションなどを業とする、正々堂々の独身。最新情報はhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp

 

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