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『浮気しない夫を探しているならお見合いに行け』

婚活に成功する人と失敗する人の分かれ道~スペシャル対談②エッセイスト・小林久乃×ゲイの精神科医・Tomy

■“一人で生活していけない人が婚活をすること”(Tomy)

 Tomy 「交際成立するまでは肉体関係を持ってはいけないとも言いません?」

 小林 「あったかも」

 Tomy 「そのルールは大事。僕らゲイが出会いの場としてフル活用しているマッチングアプリも、遊びとしか考えていない可能性が高い。でもまず設定されたルールを守れるかどうかで、相手の誠実さも図れます。あとお寺が主催している合コンとか? 」

 小林 「それも主催者の話だと神様の前では悪いこともしようとしないらしく、トラブルが少ないそうです」

 Tomy 「神罰が与えられそうですもんね。(笑)ここまで婚活に関していろいろ話しましたけど、僕は2つポイントがあると思っています。まずは一人で生活していけない人が婚活をすること。例えば、外食を一人でできないとか、寂しさと不安を結婚で埋めようとすることです。もうひとつは“本当は何もできないのに「私はなんでもできます」と、自分を盛ってしまう人が結婚しようとすること”。実は後者の層が一番多いんです。結局隠して結婚をして、その偽装していた部分の負担がパートナーにかかってきてしまう。で、浮気される」

 小林 「結婚をブランディングの一環だと考えちゃうと、苦しくなるっていうことですよ。婚活はビジネスかもしれないけれど、ゲームではないんです。どんどん武器が増えて強くなるわけではなく、玉砕するたびに弱くなってしまう。人間なんてバッテリーはいつも100%じゃない。だから先生のいう通り、感覚で相手のことを好きになれるかどうかは頭に入れておいたほうが賢明かも」

 Tomy 「総括すると、お見合いおばさんの紹介してくれる人に会う。この時点で自分の条件はクリアしている。で、好きかどうかを直感に聞いて、少しずつ距離を縮めて、共に生活をすることの目標が同じかどうかを確認する、でどうでしょう」

 小林 「その通り。ひとつ女性の意見を加えるとすると、婚活しているっていう女性って地味なコーディネートをしていることが多いんですよ。ベージュ、薄ピンクとかふんわりしたラインばっかり。その色が悪いわけじゃないんですけど、本当に好きで選んでいるのかなって思う。男性に好かれる見本に沿っているんでしょうけど、それじゃ個性もないです。男性に『お!』ってチェックされるポイントを作って欲しいな。洋服でもメイクでも、会話でもなんでもいいから」

撮影/岩瀬有奈 ※撮影は2月に行われたものです

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小林久乃

こばやし ひさの

コラムニスト、編集者

出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」(K Kベストセラーズ)にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊行)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーションなどを業とする、正々堂々の独身。最新情報はhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp

 

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