『この2冊があれば、寂しさもストレスも超えられる』
いい大人の女性だからこそ勧めたい、春の推薦図書~スペシャル対談④エッセイスト・小林久乃×ゲイの精神科医・Tomy
■「頑張ってよくここまで来たね、って迎える隣人愛のような本です」(Tomy)
小林久乃(以下:小林) 「拙著、『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ)を読んでいただいたんですよね。ありがとうございます。30代の時間とお金をぜんぶ婚活に費やしてみたら、その経験値が200ページ近くになりました。でもまだこの世の女性は『結婚しなきゃ』『出産をしなくちゃ』という固定概念に囚われています。『もうそんな時代は終わったよ?』っていう助言と、女性たちの代弁が詰まっています」
Tomy 「一人の女性が経験値を積んで、最終的には『未婚でも既婚でもいいな』と、考えがまとまるまでの経緯がわかりやすく書かれた本ですね。ちょくちょく僕が好きな言葉あったので、紹介しますね。まずは『あと5分、一緒にいたい』(P72)。恋愛も結婚も自分の価値観だけは進みません。でも恋愛が始まりそうな相手に、この気持ちを持てるのはいい。あ〜、疲れた〜と思ったらダメですもんね。友達なら一緒にいて疲れてもいいんですけど」
小林 「お世話になっているベテランの美容家さんから言われた言葉です。それが5分、10分と延びていくと恋愛になるって。これ、自分の気持ちを確認するジャッジメントなんだなって。先生と意見が同じですよね」
Tomy 「それから『ほんの少しの友情と酒があればいい』(P78)。これは独身女性には大事。でもこの言葉を言い聞かせるのではなくて、心の底から思えるようになると、恋愛と結婚は近づきますよね。『年齢とは背番号のことなので気にしない』(P178)も、いい意味でこだわりを捨てましょう、と言っている。よく『私もう40代で〜』が会話の導入になっている人いますよね。この発言は周囲の人に気を遣わせてしまう。気にしないくらいが一番です」
小林 「結婚も出産もそりゃ若いほうがいいんですけど、気にしていても仕方ないですもん。それに俗に言う『もう40代』まで一人で生きる選択をしたのは自分でしょ? って」
Tomy 「あと『オタクであれ』(P182)。男性は誰でもオタクなんですよ。だから興味のない分野でも、話に耳を傾けるのはすごくいい。さらに女性もオタク心理が共感できるなら、一生懸命、自分の好きな分野について話す相手を『可愛い♡』と思えますもんね」
小林 「生きていると辛いことなんて必ず出てくるんですよ。そこで仕事以外に打ち込めるものがあると、絶対に気持ちを助けてくれる。そういう安定剤の意味でも何かに夢中になることは勧めます」
- 1
- 2