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「お前のその肩では、1軍ではキャッチャーとして通用しない」“凡人”だったからこそ、ノムさんは苦労の大切さを知っている

ノムさんの教え2/2

苦労が「思考」「感性」「勇気」を磨く

 野村克也元監督は、こう続ける。

「苦労は誰だって嫌なものである。しかし、本気で苦労を味わった人間は、『どうにかこの状態から抜け出したい』と本気で願うものだ。
 すると苦労から抜け出すための方法を一生懸命に考える、「思考」という習慣が育まれていく。
 そして次には、「自分には何が足りないのか」を考える。すると今度は、自分や周りの人間が置かれている状況や心理、変化を敏感に察知する「感性」も磨かれていく。
 さらには、私がタブーとされていた筋力トレーニングに取り組んだように、苦労から抜け出すために新しいことに果敢にチャレンジする「勇気」も身についてくるのだ」

 つまり、苦労とまともに向き合った人間は、「思考」「感性」「勇気」を備えることができるようになるのだ。

 人間は、素質を持って生まれてきたことが幸せに繋がるとは限らない。
 凡人であっても正しい努力をすれば成功できることを、野村克也元監督は教えてくれている。
 そして、凡人だからこそ、真っ当な人生を歩むことができるとも解釈することができる。

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