「自分を守るために嫌なことから目を背けよう」コロナ緊急事態宣言下で私たちがやるべきこと |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

「自分を守るために嫌なことから目を背けよう」コロナ緊急事態宣言下で私たちがやるべきこと

【コロナ禍ライフハック】

◼️新型コロナウイルスの不安とともに生きる方法

 先日、精神科YouTuberとして活動中のメンタルドクターSidow先生を新刊刊行記念オンラインイベントのゲストに招いた。その際、コロナの映像ニュースから距離をおくことについて詳しく訊いたところ、「嫌な人と距離を置くことがあるよう、不安になる情報はあらかじめ遮断することが大事」とのことだった。確かに私たちは、苦手な人やトラブルメーカーと距離を置いて自分を守ることがある。TwitterなどのSNSでも、不快な発言を流すアカウントのフォローをそっと外したことがある。これは、無意識に行っているようにも感じられる。それをコロナでも同じようにやると、必要以上の不安に襲われづらくなる。だから今私は、テレビは見たい番組のときだけつけるようにして、テレビのつけっぱなしやニュース番組の視聴を控えるようにした。コロナに関する情報は映像のない新聞とネットニュースのみにした。すると、少し精神が安定するようになってきた。これも、自分の精神状態を守るための一つのハックである。

 長期戦となることが予想される新型コロナウイルス。うまく不安と付き合っていくためには情報との距離の取り方が重要になってくる。しかし、映像のニュースを見ても生活に支障が出るほど不安を抱えない人は今までと同じく映像情報を見ていていいと思う。感じ方は人によって違うからだ。私は感受性が強い部分があるので、引き続きコロナに関する映像のニュースは見ないように心がけたい。それと、都内での感染者数が増えたり減ったりするたびに一喜一憂するのもやめたい。感染者数が一旦減ると、もう大丈夫だと外出する人が増え、第二波が来る可能性があるからだ。前著『発達障害者グレーゾーン』の際に取材した精神科医の西脇俊二先生は、発達障害傾向のある人へ向けてこんなアドバイスをしている。

 「自分に期待しない」
 「他人に期待しない」
 「自分は努力をする」

 この3点にエネルギーを注ぐべきだと語っている。これを一部コロナに置き換えると、感染者数が減ったからといって期待すべきでないということだ。そして、なるべくステイホーム。経済的な心配を危惧している人も多いが、自分ができることとして外食の代わりにテイクアウト商品を購入している。経済回復については一気に大きな力が動かないと意味がないが、しないよりかはする偽善をこの際選びたい。また、店によってはテイクアウトすれば割引のサービスを行っているところもある。先日、普段なら特別な日にしか食べないお寿司が、テイクアウトだと15%オフのサービスだったので購入した。お寿司を噛み締めながら、不安を抱える中でもこんなささやかな楽しみを見つけていきたいと思った。

 現在の社会状況は最悪である。でも、一番は自分を守ることが重要だ。「問題から目を背けるな」という人もいるかもしれないが、自分を守るために大量のコロナ情報から目を背けることも考えてみてほしい。

KEYWORDS:

オススメ記事

姫野 桂

ひめの けい

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。 著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)。 趣味はサウナと読書、飲酒。

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

発達障害かも? という人のための「生きづらさ」解消ライフハック
発達障害かも? という人のための「生きづらさ」解消ライフハック
  • 姫野 桂
  • 2020.04.17
発達障害グレーゾーン (扶桑社新書)
発達障害グレーゾーン (扶桑社新書)
  • 姫野 桂
  • 2018.12.27