日米最難関大学に2人息子を送り込んだ母は、一生モノの「〇〇」の技術を教えた
受験もその先も。一生使える力になる、「究極の育て方」③
基本3:感謝と謝罪
基本の三つ目は、感謝と謝罪の仕方です。
ここでは感謝に絞ってお話しします。
感謝の仕方において私がしたくなかったことは、子どもに無理矢理「ありがとう」と言わせること。
母:「ほら、ありがとうは? ありがとうと言いなさい」
子ども:「……ありがとう」
よく目にする親子の光景ですね。
これでは相手に対する感謝の気持ちは全く伝わりません。「ありがとう」の意味をしっかりと子どもに考えさせ、心からの感謝の気持ちを伝えられるようにする。そのために、
「~だから、ありがとう」
と言えるようになることを目指しました。「~だから」という理由付けをきちんとすることがポイントです。「ありがとう」という感謝の言葉に加え、理由付けの言葉があると気持ちがより一層深く相手に届きます。
「おいしいクッキーを、ありがとう」
「ぼくが大好きなイチゴを、ありがとう」
このように言われると、あげた人も思わずうれしくなってしまうものです。ただおざなりに「ありがとう」と言うのではなく、相手の心を動かす「理由のあるありがとう」を言えるようになること。これは私がこだわった感謝の方法です。
大人になっても使える感謝の極意
実際大人になってからも、この感謝の方法はとても役に立ちます。
例えば誰かにごちそうをしたとき「この間はごちそうさまでした」だけではなく、「久しぶりに美味しいお肉を食べられて幸せでした」と言われたら「連れて行ってあげてよかったな」と思うものです。
逆に誰かにご飯に連れて行ってもらったとき、具体的な理由を添えて、相手の心を動かすお礼の言葉が伝えられるかどうかはとても重要です。
「お野菜がすごく新鮮でしたね」
「盛りだくさんのデザートには感激しました」
など、具体的な表現があると相手の方もうれしくなってしまうものです。こういったことが自然にできるようになるためには、子どもの頃からの日々の積み重ねが大切です。
また、日本人はその場でプレゼントを開くという習慣はありませんが、外国ではその場で開き、感謝の気持ちを伝えるということがよくあります。私のスペイン人の友人などはその場ですぐにプレゼントを開き「どんなにうれしいか」を表情と言葉で伝えてくれるのです。その様子を見ているだけで、「次はこんなものをプレゼントしたいな」と、自分までワクワクしてしまいます。
心のこもった「ありがとう」が言えるようになるために、感謝の仕方を子どもの頃から教えておく。これは先生や上司といった身近な人だけでなく、世界の人々と付き合っていくこれからの子どもたちにとって、とても大切なことなのです。