世界一奪還へ、侍ジャパンに「熱さ」をもっと。欠かせない男、松田宣浩の存在 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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世界一奪還へ、侍ジャパンに「熱さ」をもっと。欠かせない男、松田宣浩の存在

世界一奪回へ、ステージを掛け上がる侍ジャパンに「熱さ」を。

内川も一目置く松田の熱さ

 信念や考え方を相手に押し付けはしない。それでも、松田のムードメーカーとしての立ち振る舞いはチームに浸透していったと、チームメートの内川聖一が証言していた。

「マッチ(松田)の爆発力っていうのは、僕らからしたらすごく羨ましいんですよね。疲れが出ていたり、勝てない時期に、マッチの勢いの良さだったり、チームで一番元気にしている姿を見せられることによって、みんなも前向きになれますから。本当に、あいつの存在はありがたいですね」

 真剣勝負において「明るく」と言ってしまえば、規律を重んじ、控えめで、悲壮感を漂わせながらも最高の結果を勝ち取るといった日本人の美徳に反するのかもしれない。
 だが、普段のチームなら日本一、侍ジャパンであれば世界一という明確な目標のもとに集まるプロであれば、真剣のなかにも明るさをうまく取り入れることは十分に可能なはずだ。内川はこうも言っていた。

「友達感覚で、ただじゃれ合っているだけだと結果はついてきませんけど、チームのために何ができるのか? という雰囲気がまずあって、そのためにやるべきことをやっている。その上で明るいなら全然いいと思うんですよ。そのほうがチームもまとまりやすいですし。そういう明るさがあれば、しんどい時期とかにも落ち込まずに戦えると思いますね」

 松田と内川が所属するソフトバンクは、今やプロ野球随一の常勝軍団だ。勝利の味を知るふたりが侍ジャパンにいる。明るさという爆発力の出しどころを知り尽くす選手の存在は、必ずやチームの窮地を救ってくれる。

 二次ラウンドも東京ドームはひとつになる。今こそ、その喜びと感謝を、プレーで、ベンチでの振る舞いで見せるべきである。

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田口 元義

たぐち げんき

1977年福島県生まれ。元高校球児(3年間補欠)。ライフスタイル誌の編集を経て2003年にフリーとなる。Numberほか雑誌を中心に活動。試合やインタビューを通じてアスリートの魂(ソウル)を感じられる瞬間がたまらない。現在は福島県・聖光学院野球部に注目、取材を続ける。


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