ある数値を見れば分かる?! 誰でも簡単にワインの甘口・辛口を見分ける方法
人生を変えるワイン学 第14回
◆「軽い」「重い」ってどういうこと?
ライトボディ=軽い
ミディアムボディ=軽いと重いその中間
フルボディ=重い
表記は理解できましたね。ですが、そもそも「軽い」「重い」ってどういうことなのでしょうか?
重さとは濃さのことです。ワインの重さ(濃さ)の違いによって「軽い」「重い」に分けられます。
例えばコーヒーの場合、アメリカンとエスプレッソを比べてみると、アメリカンは色も味も薄くエスプレッソは色も味も濃いですよね。ということは、アメリカンは「軽い」となりエスプレッソは「重い」となります。
つまり、あっさりした色の薄いワインを軽いワイン、コクがあり色の濃いワインを重いワインということになるのです。
また、アルコール度数の高いワインは重いワインとなるものが多いです。
しっかりとしたコクのある重たいワインを飲みたかったら「フルボディ」、渋みもコクも少なく軽いワインを飲みたかったら「ライトボディ」、軽すぎず重すぎずほどよくコクのあるワインを飲みたかったら「ミディアムボディ」を選びましょう。
ラーメンで例えると、あっさり塩味?こってりとんこつ味?ちょうど中間のしょうゆ味?今日はどんな気分?という感じです。
◆これで簡単に甘辛度が分かる?!
甘口、やや甘口、やや辛口、辛口などの表記があるワインは見た目で分かりますが表記されていないワインもたくさんあります。飲まなくても見た目で甘口か辛口かが分かったら便利ですよね。
実はあるんです! 見分ける簡単な方法が!
それは、アルコール度数を見ることです。
先ほど、糖分がアルコールに変わるという話をしましたよね。甘口ワインの場合、糖分の一部しかアルコールに変わっていないうちに発酵を止め糖分を残します。ということは、アルコールに変わるのも一部となるのでアルコール度数が低くなります。
ですから、アルコール度数が高いものは辛口になり、アルコール度数が低いものは甘口になる傾向にあります。
一般的な白ワインのアルコール度数は6~14%となり、甘辛度の目安として6~11%なら甘口、やや甘口が多く、13%以上のものは辛口になる可能性が高くなります。
アルコールの低いものを選べば、甘くて飲みやすいワインに出会えるのでワイン初心者やお酒の強くない方にオススメです。
◆特殊な甘口ワイン
甘口、辛口の違いは分かりましたね。
ただ、甘口ワインの中にはブドウの収穫時期や醸造方法の違いで造られているものが何種類かあります。
ズースレゼルヴ・・・ワインの最終的な糖度を上げるため、発酵前に果汁の一部を別に保存しておき、発酵後にその果汁をワインに戻したもの。
ストローワイン・・・甘口ワインを造るために、果実が凝縮して糖度が増すように干したブドウから造るワインのこと。
アイスワイン・・・凍結したブドウから搾汁すると濃縮された果汁が得られるため、氷結したブドウから造られるワインのこと。
貴腐ワイン・・・果実の水分を取り糖度のある果汁を得るために、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が付いたブドウから造られるワインのこと。
遅摘みワイン・・・完熟したブドウを収穫せず、そのまま樹に付けたままにしておき、干しブドウのようになりかけたブドウから造られるワインのこと。
酒精強化ワイン・・・醸造の途中でアルコールを添加し、アルコール度数を高めるとともに糖を残したワインのこと。
これらの甘口ワインは、よくデザートワインとして親しまれています。