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「侍ジャパンは問題なし」と断言できた最低限の要素。建山義紀の野球「プロ目線」

WBCどこを見れば良し悪しが分かるのか?

「戦えるコンディショニング」ができている

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 話を聞いたのは3月8日16時。
 つまり、ワールドベースボールクラシック(WBC)一次ラウンド、日本対キューバ戦が始まる数時間前のことである。

 強化試合を2勝3敗と負け越して本戦に突入した侍ジャパンに対して懐疑的な見方が大半をしめていたこの時期。野球シーズンに向けてその見どころを聞く、という我々の取材に応えてくれたのは日本ハムファイターズやMLBテキサス・レンジャーズで活躍をした野球解説者の建山義紀氏だ。多くの声と同じように不安を抱いていた取材陣は建山氏にこう聞いた。

――厳しい意見も多いですが、侍ジャパンは大丈夫でしょうか。

 それに対し建山氏ははっきりと言った。
「大丈夫だと思いますよ、僕は問題視していません」

 正直、意表を突かれた。「最悪一次ラウンド敗退もあり得るのではないか……」こうした言葉が少なくない野球関係者から聞こえてくるくらい、本大会に対する危機感が世間を覆っていたからだ。そして、現在(3月14日現在)までの結果を見れば、それは全くの杞憂であり、建山氏の言葉が正しかったことが証明されたと言える。

 果たして建山氏はどのようなポイントを見て「問題ない」と断言できたのか。WBC、メジャーリーグ、プロ野球そして高校野球。3、4月の野球シーズン開幕に合わせて「野球の見方」を伝える本稿では、第一回として3月8日(WBC日本の初戦前)時点で建山氏がどういうポイントに目をつけて野球を見ていたのかをご紹介する。

――不安視されている侍ジャパンをどう思いますか。

建山 僕は問題視していません。

――調子が上がっていない選手が多いように見えますが……。

建山 プロ野球選手の一年間のサイクルの中で、この時期にピークを持ってくるのはとても難しいんです。(WBCがなければ)オープン戦がメインとなるこの時期は調整段階にあたるわけですから、調子が上がっていないように映るのは仕方がない。でも僕には、選手たちが最低限、「戦えるだけのコンディショニング」ができているように見えます。

――「戦える最低限のコンディショニング」とはどういう部分でしょうか。

建山 バッターで言えば、相手投手が決めに来たストライクからボールになる変化球、コースギリギリのストレート……そういった球への見極めができているかどうか。例えば秋山(翔吾)選手は、強化試合でもしっかりと見極めができていることがうかがえます。その点で戦う準備としては問題ないのではないかと思います。

――厳しいコースの見極め。

建山 これはWBCに限ったことではなく、プロ野球を見る際にも同じようにチェックをするのですが、実戦のへ準備が整っているかどうかというのは、「最低限のコンディショニング」ができているかに言い換えられるように思います。バッターの厳しい球への見極めはその大事な例ですね。結局、難しいボールをヒットにするというのは一流のバッターでも難しいことなんです。だから甘いボールをしっかりと捉えられているか、ストライク・ボールの見極めがしっかりできているかが目安になる。多くの人が今の侍ジャパンに対して心配をしているのは分かりますが、その点を見る限り、僕は心配をしていません。

――なるほど。ほかに見極めができてる選手はいますか。

建山 菊池(涼介)選手などもそうですね。
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建山 義紀

たてやま よしのり

1975年12月26日生まれ。大阪府出身。 98年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着し、6勝をあげる。以降、セットアッパー、ストッパーなどで活躍、日本一にも貢献。2010年オフ、FA権を行使しMLBのテキサス・レンジャーズに入団、13年にはNYヤンキースへ移籍。2014年6月に日本球界復帰(阪神タイガース)しこの年、現役引退。野球解説者として活躍中。


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