ドルトムント、シャルケ取材で見た「レジェンド」の影
ドルトムント・香川、シャルケ04内田。取材でみえたもの
「変化」の激しいフットボールの中で
「1963年のチャンピオンズカップでベンフィカと対戦したんです。当時もアウエイでの第1戦で1-2と敗れていたんだけど、ホームでの第2戦で5-0と圧勝して勝ちぬけたんです。だから、今夜もということなんでしょうね」
試合前にピッチで紹介されていた高齢の男たちは、当時の選手、レジェンド。南スタンドで掲げられたのは勝利を伝えるドイツ紙「キッカー」だった。
そして、この夜、ドルトムントは4-0でベンフィカをくだした。55年前の快挙をまた、この夜再現させたのだ。50年以上も昔の話ではあるけれど、ドルトムントを愛する人々はその話に夢を託した(ちなみに1963-1964シーズンは準決勝でインテルに敗れている)。
世界のサッカーは常にめまぐるしい変化を繰り返す。
戦術、そのスタイルにはトレンドがあり、あるときは選手が、またあるときは監督が、それを牽引する。強いチームを倒すためには、チームは進化を恐れない。そして、同時に“過去”への敬愛を決して忘れない。
100年以上の歴史を持つクラブが少なくないヨーロッパでは、スタジアムの至るところにレジェンドたちの写真が掲げられ、ヒーローたちの活躍は親から子へ子から孫へと語り継がれる。