狩猟の相棒、猟犬ついて
【第24回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
▼意外な猟犬
長い体毛で威厳のある見た目のアフガン・ハウンドなどはショードッグとして人気がありますが、名前の通りハウンド(猟犬)であり、砂漠や山岳地帯を駆け抜けるための非常にしなやかな足腰を持っています。また、鳴き声が大きくしつけが大変と言われるビーグルは、元々その「よく吠える」ところが猟犬として優れているとされ、ウサギ狩りなどに使われてきました。今でも巻狩り(第22回記事参照)のセコ(獲物を追い立て射手のいる方向に追い出す役)として獲物を追い立てるのに使われています。モコモコの体毛が愛らしいプードル(スタンダードプードル)は泳ぎが得意で、もともとは獲物を回収するレトリーバーとして使われていました。胸元や脚先、尻尾の先を残す独特のカットは、冷たい水から心臓や脚先などを守りつつ水の抵抗を減らす為に生まれた狩猟のためのカットなのです。
【猟犬はどこに売っているの? その値段は!?】
これから狩猟を始める方で「ぜひ猟犬をお迎えしたい」と思っている方も少なからずいると思います。ですが、ペットショップなどに猟犬はいませんよね。いったい猟犬はどこで手に入れることができるのでしょうか。私の周りの猟師さんを見ていると、猟犬を迎えるには大きく分けて三つの方法があるようです。
①ブリーダー(狩猟犬訓練所)等から購入する
一番手っ取り早い方法です。全国には意外とたくさんの猟犬専門の訓練所があります。猟犬としての血筋の良い子犬から、専門家がしっかりと訓練を積み、購入した時点で実戦にも対応できる立派な成犬の猟犬でさえ手に入れることができるそうですよ。デメリットはやはり、値段の高さでしょうか……。ピンキリですが猟犬の値段は5万円~100万円ほど。特に質の良い血統、そして質の良い訓練を受けた成犬の猟犬は100万円~500万円ほどの価格で取引されているようです。私が実際に見たことのある高額な猟犬は、師匠のお友達のワンちゃんで200万円だったそうです(!)
②猟師仲間から血統のよい子犬を譲ってもらう
まずは猟隊に入り、地道にしっかりと自分の仕事をこなし、信頼関係を築いていきましょう。すでにセコとして活躍されて(すばらしい猟犬を持って)いる人に「猟犬を持ちたい」と相談すれば、紹介してもらえるかもしれません。ただ、相手の気持ちになって考えてみると……適当な奴に大切な猟犬を、またはその子犬を渡したくありませんよね?マナーや礼節を持ってしっかりとその猟隊と向き合う事が大切ですね。この場合しつけは自分ですることになりますが、大丈夫、貴方には心強い猟隊の先輩がいるのだから。
③自分で猟犬として育てる
血統の良い犬が、良い猟犬になりやすいのはもちろんですが、必ずしも良い猟犬の条件に血統が必要なわけではありません。私の知り合いの猟師さんで、迷い犬を立派な猟犬へと育てた人が居ます。その猟師さんは自分でしつけをしたそうですが、今は狩猟犬訓練所のしつけ教室や、出張訓練なども充実しているようなので、自分で勉強して、しつけてみるのも手かもしれませんね。
え? 自分でしつけてみたけど獲れないって? 犬は悪くありませんよ、しつけ方の問題ですね(*’▽’)
【終わりに。貴方の狩猟生活を豊かにする最高のパートナー】
如何でしたでしょうか。今回は猟犬についてまとめさせて頂きました。貴方がどんな出会い方で猟犬に出会うにせよ、愛情をもって相棒(犬)と向き合い、共に成長していけるように祈っています。その過程ですら、愛おしく尊い時間になるはずです。次回は狩猟の移動手段について綴らせて頂こうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。
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