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来るべき宅配便60億個時代。外国人労働者の活用も考えるべき段階に

【宅配・物流崩壊】を物流コンサルタント・角井亮一氏が徹底解説 3/3

「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます。

(第一回のまとめ~増え続ける荷物量、宅配の現場は限界を向かえている。ヤマト運輸が運賃値上げを検討しているのは、従業員の労働環境を守るため。疲弊の原因としてアマゾンの存在ももちろん大きいが、根本的にはわれわれユーザーが便利さを求めて宅配便を「選択している」という現状がある。~)

(第二回のまとめ~解決策としては、4つある。1つ目はアプリや電話の活用、2つ目は宅配ボックスの設置、3つ目は駅や公共施設の宅配受取ロッカーの利用、4つ目はコンビニ等での店舗受け取り。このうち一番現実的なのは、ユーザーが手軽に利用できるアプリか~)

●外国人労働者の活用を考えるべき段階に

トオル…そういえば、ヤマト運輸の問題が起きる前から宅配業界の労働時間の長さが問題になっていたよね。

シズカ…うん、今回の騒動を見ていて思ったけど、なにもヤマト運輸一社だけの問題じゃないと思うわ。

角井(角井亮一:物流コンサルタント。著書に『アマゾンと物流大戦争』など)…そうですね。問題の背景にあるのは働き手の不足です。最近、従業員が足りなくて24時間営業できなくなっているコンビニと問題の構造は一緒ですよ。

シズカ…例えば、コンビニだったら外国人の店員さんが増えているわよね。

トオル…ファストフードのお店でもよく見かけるよね。でも、外国人の配達員さんは見たことないな……。

角井…その通りで、今は外国人労働者はかなり少ないですね。私は外国人労働者を活用してもいいと思っています。もちろん、すでに物流センター等ではある程度働いていますが、表に出て荷物を運び届けている人はまだ少ない。アメリカなどでは、外国人労働者も配達していますよ。

トオル…運転免許証の問題で外国人労働者は少ないのかな?

角井…それも一因ではありますが今は、台車や自転車を使った配達も多いですよね? 免許を持っていないことがそんなにハードルになるとは思えません。要は、会社の自主規制の問題なんだと思いますよ。

シズカ…なるほど~。外国人の人にも働いてもらうことも一つの解決策になるかもしれないわね。

トオル…でも昔は「お金を稼ぎたいなら佐川急便」なんて言葉もあったらしいし、稼げる仕事だったわけですよね? 今はどうなんでしょう?

角井たしかに初任給60万円の時代はありましたね。人の3倍働けば2倍の給料がもらえていましたし、会社で寝泊まりしながら長時間労働していた人はいました。しかし、今ではそういった働き方自体ができなくなっています。

シズカ…昔は配達員さんが無理をして働くことができたけど、今はいろいろな理由からできない。でも、配達物はこれからも増えていくわよね。

角井…現在は年間37億個の荷物が扱われていますが、もっと増えていくと予想されています。私は、2020年代には宅配便60億個の時代が来ると思っています。

トオル…60億はすごい数字! 今の倍近くだ! 今でも現場は悲鳴を上げているのに大丈夫なのかな?

角井…だからこそ、宅配業者は対策をしていかなければいけません。まずは、何と言っても再配達の削減。配達物のうち20%が再配達で、労働負荷でいえば30~35%とお伝えしましたが、これを削減できれば、計算上ですが、1.5倍効率が上がることになります。

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