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堺の城①・小谷城跡

季節と時節でつづる戦国おりおり第428回

 お墓参りの後は、城回り。これぞ戦国ファンの醍醐味です。

 堺市公園墓地から北へ戻る途中、南区豊田という土地にあるのが小谷城跡。北近江の浅井長政の本拠・小谷城が「おだにじょう」なのに対し、こちらは「こたにじょう」と呼びます。もっとも、浅井氏の小谷城が16世紀頭の築城とされるのに対し13世紀半ばにはもう城として機能していたということで、歴史はかなり古いです。

 見ての通りの山城で、標高は80メートル。麓には小谷城郷土館という民俗資料や武具などの展示施設があり、城主・小谷氏の末裔の方が館長として運営されていらっしゃいます。

 

 

 小谷氏は平清盛の継母・池禅尼(いけのぜんに)の子孫・上神政有(にわ・まさあり)が築き、14代後から小谷氏を称したといいます。土地柄、紀州の根来寺の影響下にあり、戦国時代に織田信長が根来征伐をおこなうと、

 22代の小谷種氾(たねひろ)が根来方として織田軍と戦い、城を攻め落とされて自身も近くで自害したといいます。史実であれば信長の紀州征伐、天正5年(1577)のことでしょう。山城とはいいながら、規模としてはさほど大きいものでもないのでひとたまりもなかったのでしょうね。

 山上は阪和第一泉北病院となっており、その敷地内に城址碑があるのですが、現在新型コロナウィルスのこともあり部外者がむやみに立ち入るのも憚られるので、今回は登らずにおきました。こちらも堺市公園墓地と同じく泉北高速泉ヶ丘駅から南海バスで「豊田南」下車。

 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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