不安な時こそ潜在能力が発揮される理由【久瑠あさ美メンタルトレーニング】
久瑠あさ美の「コロナ禍以後をいかに生きるか」Vol.3
コロナ禍によって、それ以後の生活スタイルや、働き方、生き方までも変わろうとしている今、この不透明な時代に対して多くの人たちがこれまで以上に大きな不安を抱いています。家庭内DVの増加、鬱症状による心身の不調、またこれから生きていくことに自信さえも無くしてしまった、などという人たちも多くいます。今後、自分たちを取り巻く世の中もさらに不安定なものになっていくことが予想されています。しかしそれでも、今回のウイルス禍を「自分と向き合い、自分の在り方やこれからの生き方を見直すきっかけ」ととらえ直せるかどうかが大切だと考えています。
ならばどうやってこの逆境を乗り越えられるのか?
どうしたらより良く生きることができるのか?
数多くの著名人たちから支持を受けているメンタルトレーナーの久瑠あさ美が、初めてYouTube動画と連動してお送りするメンタルトレーニングの実践現場を公開。久瑠式メンタルトレーニングのノウハウを余すことなく披露した集中連載として同時連載していきます!(聞き手:弊社編集・鈴木康成)
*まずは以下の映像をご覧ください。
https://youtu.be/_cEpi9w28_A
この動画のポイント:
・「前向きにならなきゃいけない症候群」
・ 不安定な時には「これまで発揮できてなかった力」を発揮すればいい
・「じゃあ自分、どうする?」と問いかける
・ 人生の対戦相手は「自分の未来」
■ネガティブなポジティブ感が自分を追い込む
久瑠)——少し前から、「前向きな発言をしよう」という世相がありますね。映画やドラマの中にも、まるで自己啓発書から抜け出してきたような登場人物が多く登場するようになりました。
そうした流れのなかで私が感じるのは、日本の社会が「ネガティブなポジティブ感」が溢れるようになったことです。
「ネガティブなポジティブ感」と「ポジティブなポジティブ感」は違います。ポジティブに塗り替える力が無いのにポジティブになろうとすると、マインドはネガティブなのですごく疲れる。気持ちは後ろ向きなのに、前向きになろうと頑張っている状態、これが「ネガティブなポジティブ感」です。ネガティブなマインドのままポジティブを装ってもそれは自分を無意識にあざむいてしまい、自分で自分を押し潰してしまうのです。
ネガティブが拭いきれないのに、例えばSNSでの発言は前向きで明るく見せて、「いいね!ボタン」を押してもらうために頑張る。そんな「前向きにならなきゃいけない症候群」に罹ってしまっている人が多く見られました。スポーツの世界でも、「みんなが求めている姿にならないといけない」みたいになってしまうトッププレイヤーもいました。
彼らはみな、「本来の自分に戻るきっかけ」を見失っていた。その意味で、コロナ禍でこれまでの状況が一旦リセットされたのなら、それを「本来の自分に戻るきっかけ」にすればいいんです。
コロナ禍のせいで、自分の意向とは関係なく、状況がどんどん塗り替えられています。
やむを得ず仕事を一旦離脱した人もいるでしょうし、オフィスに行かなくなりリモートワークを始めた方もいる。「仕事を無くして明日からどうしたらいいだろう」「いきなり「家で仕事して」と言われても困る」と、困惑した人も多いと思います。
たしかに、「納得いかない」「先のこと誰に訊いたらいいの?」と困惑する、不安定な状況に対して不安になるのが、普通の人間のマインドです。
でも、状況が変わった以上、切り替えるしかない。そこにストレスを感じたとき、留まるのか、前に進むのか、そこを問われてくる。
不安定な時に何をしたらいいのか。答えはすごくシンプルで、「これまで発揮できてなかった力を発揮すればいい」。だから不安な状態に陥った時こそ、先が見えなくなった時にこそ、潜在能力を発揮できるチャンスなんです。「つべこべ言わないで、とにかく行動しなくちゃいけない」という状況、それはあなたが自分の人生から試されている瞬間なんです。
「人生から試される瞬間」から逃げずに生きてきた人間は、そんな時いつも「自分、どうする?」と自らに問いかける。そうすることで自分ごとにして、自分軸で行動する。そこからしか物事は始まりません。
- 1
- 2