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お父さんには通知表も見せません。「灘⇒東大理3」の母・佐藤ママが引いた境界線

Q3 子育てにおいて、旦那様との役割分担をどのようにしていましたか?

独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。今週登場するのは、3人息子を灘⇒東大理3、さらに今春長女も東大理3に送り込んだ「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん。そのオリジナルな子育ての「哲学」に10の問から迫る! 今回の質問はお母さんとお父さんとの役割分担について。佐藤家では、あいまいにしがちな境界線がはっきりと引かれていた。
Q3 子育てにおいて、旦那様との役割分担をどのようにしていましたか?

“遊び”は主人。“勉強”は100%私

 

 キャッチボールをしたり、プールに連れて行ったり、といった“遊び”は主人の役目。でも“勉強”は100%私の管轄で、一切口を挟ませないようにしていました。そうしないと方針を守らせるのが大変じゃないですか。

 例えば、ひらがなの書き方一つでもお母さんが「きちっとここはトメなさい」と言っているのにお父さんが「別にそんなの気にしなくてはいいよ」ではダメですよね。

 テストの点数などに対しても、絶対コメントさせませんでした。私自身もそれ(テストの結果にコメントしないこと)は徹底していて、なぜかと言えば、兄弟で成績を比べるようなことはしたくなかったからです。子どもはちょっとした一言で傷つき、なかなか忘れられないもの。そうした点を、主人には噛んでふくめて「絶対に成績のことは言わないで」と伝えていました。

 そうはいっても、テストを見せたら親は何か言いたくなるのが性。……ということで父親には「見せない」んです。答案用紙も見せないし、通知表も見せないし、大きくなってからの東大模試の結果とかも全く見せない。だから主人は通知表がどんな形をしているかも知らないはずです。これは小学校から高校まで一貫していました。

 その代わりに私には全てのテストを出させていました。

「点数は怒らないから全部見せて。良いのだけで悪いものを隠していたら全部得意だと思ってしまうけど、最終的に中学受験のときに判断できないから。最終的に『受験』に失敗してしまうから、良いものも悪いものも全部出すように」と最初に子どもに言っていました。

 また子どもの進路・将来に関しても、主人には一切口を挟ませないようにしました。弁護士の主人は事務所も持っていて、子どもができれば、跡を継いでほしいと思っているはず。でもそれを口にしてしまうと、子どもの未来が狭まってしまいます。

 子どもって本当に優しいので親の意向に沿おうとするものです。ですが、世の中には色々な職業があるし、子どもが本当に弁護士に向いているかも分からない。別に親の跡は継ぐ必要はないのです。

 主人には子どもたちが産まれる前に、「(弁護士に)なってほしいって絶対言わないで」と釘をさしておきました。釘をさしすぎた結果こんなことになりました(笑)。

次の質問は「Q4 子どもとのコミュニケーションで気をつけていたのはどんなことですか?」です。

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佐藤 亮子

さとう りょうこ

専業主婦。大分県で高校まで過ごし、津田塾大学へ進学。卒業後、大分県内の私立高校で英語教師として2年間教壇に立つ。その後、結婚。夫の勤務先である奈良県へ移り、以降は専業主婦。長男、次男、三男、長女の順で3男1女を出産した。長男、次男、三男の3兄弟がそろって、難関私立の灘中・高等学校(神戸市)に進学。体育系のクラブに所属したり、文化祭で活躍したりしながら、3人それぞれが学校生活を満喫しつつ、大学受験では国内最難関の東京大学理科3類(通称「東大理3」)に合格。さらに今春長女も東大理3に合格を果たした。著書に『「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』、『「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法』(ともにKADOKAWA)


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