文在寅新大統領誕生で韓国はどうなるのか!?
『韓国左派の陰謀と北朝鮮の擾乱』 第8回
もし文在寅大統領が、北に飲み込まれるような政策ミスを起こせば…
朴槿恵前大統領の罷免を受けて行われた韓国大統領選挙で、文在寅氏が当選して新大統領に就任しました。9年間続いた保守からの政権交代となったわけです。
文在寅新大統領は就任式の演説で現在の韓半島の安保危機にも触れ、「必要であれば、ワシントンや北京、東京、そして平壌へも行く」と表明しています。これは一見、北朝鮮の核やミサイル開発の問題解決に向けた姿勢を示しているようですが、実は親北朝鮮姿勢を強くしていくことの表れです。
文氏が盧武鉉元大統領の秘書室長を務めていた時代は、太陽政策と呼ばれる北朝鮮に対する締め付けを緩くしていたこともあります。また、私の著作の中でも書きましたが、文在寅氏は2007年、北朝鮮の人権状況を非難する国連の人権決議案の採択前に北朝鮮に意見を求め、韓国の決議を棄権させていたのです。これは当時外交通商部長官を務めた宋旻淳氏の回顧録から2016年に判明しています。
今回、こういった背景を持っている野党候補が政権を取ったのは、日本ではあまり報道されていませんが、文在寅氏が朴槿恵前大統領やチェ・スンシルらを「国政壟断勢力」と呼んで批判し、セオル号事故の死亡者に対する弔い選挙だとして国民を扇動したという一面を持っています。
国家的見地からすれば、セオル号事件はただの修学旅行学生の海難事故に過ぎないのです。それを利用して、さらに格差社会に対する中間層と庶民層の不満をそそのかし、票を集めて当選したのです。また、支持率を上げるために国民の反日感情を煽りながら、慰安婦合意の見直しと竹島(独島)問題を再燃させて、韓国国民感情を扇動しいったのです。
このまま親北朝鮮の政策が強くなると、せっかく築き上げてきた、日韓米の北に対する圧力が弱まる可能性が出てきます。実際、選挙中はTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)配備の見直しを訴えたりするなど、アメリカとの同盟関係に軋轢を作るような発言をしています。
今後、文在寅政権が北寄りの政策を続けていくようであれば、健全な保守右派国民の根強い抵抗勢力が、政治の乱暴運転にブレーキを掛ける役割を果たすと思います。
また、「新政権の親北路線が北朝鮮に騙され、韓国が北に飲み込まれるほど危険水位に至る場合は、国家危機状態を絶対許せない韓国の陸海空軍が非常事態を宣言して、政権回復に乗り出すだろう」という国民意見も、実は根強くあるのです。
もし、文在寅大統領が、北に飲み込まれるような政策ミスを起こした場合は、朴槿恵前大統領とは違った意味で、弾劾され刑務所に入るだろうという国民世論も一部で上がっているのです。
今、朝鮮半島は北の挑発によって緊張状態が続いています。それをどれだけうまくコントロールして、日米と協力して北の核とミサイル開発に歯止めをかけられるかを見守っていく必要があります。