浦和・遠藤「DFとしてラファエル・シルバはいやらしい」
かつては敵として、今は頼もしきチームメイトとして。【遠藤航連載・世界への大航海】
チームメイトになって知ったラファのいやらしさ
外国人選手には、いろいろなタイプがいますが、おおよそ気性が激しい、というイメージがあるかと思います。そのなかで、ラファはものすごくまじめで穏やかです。日本にもかなり馴染んでいて、先日は蕎麦屋さんでお蕎麦とタタキを食べるほど(笑)。
先ほどハットトリックを何度も決めている、と書きましたが、その練習においても自分がボールを奪われれば、すぐに切り替えてボールを奪い返しに走ります。守備で対峙するといつも感じることは、ボールに寄せていくタイミングがとてもいいな、ということと、スピードがあるので、僕が持ち出してパスを出そうとした瞬間に脚が伸びてくるいやらしさがあること。特に後者は、ディフェンダーにとってものすごくイヤなものです。
チームメイトになって対戦していたときにはわからなかった一面も見つけました。もともと僕自身はラファを、裏に抜けてシンプルにシュートまで持っていくタイプだと思っていました。例えば、ロングボールでも、ちょっと強引なボールでもそのスピードで追いついて、個人技でゴールまで持っていく、というイメージです。けれど、一緒にプレーをしてみると、引いてボールを受けたり、収めたりする能力もものすごく高い。慎三さんにも似たタイプで、今シーズンからラファが来たことでシャドーのポジションに入ることも多い慎三さんとのコンビネーションは、後ろから見ていても頼もしいものがあります。
すでにたくさんの印象的なゴールを決めていますが、僕自身は第2節のセレッソ戦のゴールがラファらしいな、と思いました。青木くんのボール奪取から、絶妙なタイミングでディフェンスラインを抜け出したラファは、冷静にゴールキーパーとの1対1を決めました。パスを受けたり、収めたりする能力にも秀でているラファですが、何よりつねにゴールを狙えるポジショニングをしていることが最大の武器だと思います。そこからのディフェンスの背後を取る動き出しは秀逸。ですからセレッソ戦のゴールこそは、つねに点を取ることをイメージし、それにフォーカスしたラファらしいゴールだったと思います。
初めてチームに合流したとき、驚いたのは1歳しか年が離れていなかったことです(笑)。大人に見えるラファとともに、チームをもっと前に進めていく力になれればと思います。
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