予約が取れない! でも今すぐ乗りたい‼️ 憧れの観光列車 《3選》!!!【『一個人』夏号】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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予約が取れない! でも今すぐ乗りたい‼️ 憧れの観光列車 《3選》!!!【『一個人』夏号】


 2カ月余りも続いた緊急事態宣言による外出の自粛がようやく解除となり、旅行を楽しむマインドは復調しつつある。今すぐには難しくても心と時間に余裕が出来たら、観光列車の旅を楽しんではいかがだろうか。リゾート地へのアクセスそのものを楽しめるのが観光列車だ。風情ある車窓、贅を尽くしたインテリア、地元の食材を活かした料理など、心弾む演出でもてなしてくれる。
 7月9日発売『一個人』夏号「憧れの観光列車」旅行作家・野田隆氏が紹介した列車のうち、近年のデビュー以来、予約が引きも切らない人気の3列車をピックアップする。


■贅を尽くしたインテリア、料理、音楽が魅力のクルーズトレイン
「THE ROYAL EXPRESS」(東急)

THE ROYAL EXPRESS
THE ROYAL EXPRESS

 東急電鉄が伊豆急・JR東日本の協力のもとで走らせている「THE ROYAL EXPRESS」はJR横浜駅~伊豆急下田駅間を運行。8両編成・定員100名を超える国内最大級の観光列車である。2017年7月の運行開始以来、1万名余りが乗車しておりリピーターも多いという。新型コロナウイルス感染症拡⼤防⽌のために2020年3月より運休していたが、7月3日より運行を再開した(この間の予約者を優先するため、新規申し込みは受け付けていない)。
 「THE ROYAL EXPRESS」は「美しさ、煌めく 旅。」をコンセプトとしたクルーズ列車である。水戸岡鋭治氏がデザインを担当しており、車両ごとに内装は異なる。「ゴールドクラス」「プラチナクラス」の客車、食堂車、キッチンカー、それにコンサート・結婚式・展示会などのイベントが行われるマルチカーで編成されている。
 旅のスタートは横浜駅西口の専用待合室「THE ROYAL CAFE」から始まる。こちらのインテリアも水戸岡鋭治氏によるデザインで、乗車前から気分が上がる。スタッフにアテンドされて列車に乗り込むと、ウエルカムドリンクなどのおもてなしが待っている。食事は伊豆を中心とした食材を用いたコース料理などを用意。マルチカーやプラチナクラスの食堂車では、プロ音楽家による生演奏も楽しめる。

THE ROYAL EXPRESSのコース料理
THE ROYAL EXPRESSのコース料理

 クルーズプランでは、伊豆急下田駅から専用ハイヤーで高級宿泊施設へと移動して宿泊。伊豆エリアの観光もセットになったプランもある。このほか、食事付きの片道乗車プランが用意されている。
 2020年8、9月には初となる「北海道クルーズプラン」を運行する。札幌を起点に、釧路、知床斜里、網走など道東の観光地を周遊する3泊4日のツアーとなる。1名68万円の旅行代金ながら申し込みが殺到し、当選倍率は約8.2倍となった。こちらも新型コロナの影響によって計5回の運行が3回に変更となり、中止となった回の予約客は2021年夏運行への振り替え案内を行うことが予定されている。来夏の予約も高倍率が予想される。

■絶景を横目に九州産食材を活かした豪華スイーツを堪能できる
「JR KYUSHU SWEET TRAIN 或る列車」(JR九州)

或る列車
或る列車

 次々と個性的な観光列車を投入しているJR九州が、「D&S(デザイン&ストーリー)列車」の第10弾。明治時代末期に九州鉄道でわずかな期間だけ活躍した豪華列車がモチーフとなっている。正式名称もなかったために「或る列車」と呼ばれたこの幻の客車が、水戸岡鋭治氏のデザインによって現代によみがえった。
 列車は2両編成のディーゼルカーで、グリーン車級の設備をもった食堂車として、キロシ(キ:気動車 ロ:グリーン車 シ:食堂車)という形式名である。1号車はメープル材を使用した明るく開放的な空間。2号車はコンパートメントがずらりと並ぶ。個室を囲う組子には福岡の大川組子の技術が用いられており高級感が漂う。

或る列車1号車
或る列車1号車

 車内で味わえるスイーツと食事は、東京・南青山のレストランNARISAWAのオーナーシェフ成澤由浩氏のプロデュースによるもの。食材はもちろん九州産で、食器も九州の職人の特注品にこだわっている。
 ゴージャスな空間で極上のスイーツを味わうというコンセプトの「或る列車」は、時季によってルートが変わる。2020年7・8月はハウステンボス~博多コース、9~11月は大分~日田コースを運行する。
 なお、JR九州では新たな「D&S列車」である「36ぷらす3」を10月15日より運行開始する。5日間で九州全県を周遊し、地域の食や自然、エピソードに触れるというコンセプト。こちらにも期待したい。

■上越の美食、日本海と妙高山の景観を愉しめる
「えちごトキめきリゾート 雪月花」(えちごトキめき鉄道)

雪月花
雪月花

 北陸新幹線の延伸開業によって誕生した第3セクターえちごトキめき鉄道で、2016年にデビューしたリゾート列車「雪月花」。上越妙高~妙高高原~直江津~糸魚川間を3時間あまりかけて走る。川西康之氏がデザインを担当し、鮮やかな銀朱色の車体、丸みを帯びたフォルム、大きな窓が特徴的。グッドデザイン賞や“鉄道車両の新人賞”ローレル賞など数々の賞に輝いている。
 列車は2両編成。1号車は天井までの大きな窓に向かって座席が並ぶ。2号車はテーブル席で、展望ハイデッキも設けられる。

雪月花1号車
雪月花1号車

 食事は一流の料理人が地元の食材を活かした内容となる。午前便が旬の食材を用いたフレンチで、新潟県十日町市出身のミシュラン二つ星シェフ飯塚隆太氏がレシピを手がける。午後便は、糸魚川の老舗割烹・鶴来家が手がける和食のフルコース。車内の「さくらラウンジ」では地元のワインや地酒も取り揃えている。
 また、沿線にはスイッチバックやトンネル内に設けられた秘境駅、鉄道草創期をしのぶ有形文化財の駅などが点在する(『一個人』夏号「鉄道遺産を往く」で詳述)。停車時間の長い「雪月花」でこれらを巡ることも、鉄道ファンにはたまらない楽しみだろう。

*車内の食事メニューは季節や運転時間帯により変更になることがあります。
*運行状況等は事前にご確認の上でお出かけください。

 

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