疲労回復には適度な運動…疲れをとる「正しい」知識【『一個人』夏号】
まだまだ厳しい猛暑が続くこの時期、特に気をつけたいのが夏バテに代表される「疲れ」だ。
雑誌『一個人』夏号では、東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身さん監修による疲労回復法を特集した。
ここでは、巷にあふれる健康法に惑わされないよう、本当に効果のある生活改善法をまとめて紹介する。
■疲労回復の常識、実は間違っている!?
忙しい現代人と「疲れ」は切っても切れない関係だ。そんな時代だからこそ、自分なりの疲労回復法を持っている、という人も多いかもしれない。しかし、信じていたそれらの方法が間違っていたらどうだろうか――。現代人の疲れとの付き合い方に関して、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは次のように警鐘を鳴らす。
「世の中には疲労回復効果をうたったさまざまな方法であふれています。そもそも“疲労”と“疲労感”は異なるものなのですが、こうした疲労回復術のなかには“疲労”ではなく“疲労感”しか取り除いてくれなかったり、むしろ疲労を蓄積させてしまったりするものもあるのです」
梶本さんは、疲れを感じた時に口にしたくなる栄養ドリンクやスタミナ料理がその最たる例だという。また、日々の生活習慣も同様で、たとえば熱いお湯での入浴は、むしろ疲労を蓄積させてしまう。一方、軽い運動は疲労回復に効果的で、適度な疲労が体内の疲労回復物質の分泌を促してくれる。 間違った方法を続けていれば、疲れはたまる一方だ。疲れとうまく付き合うためにも、正しい知識を身につけたいものである。
■体を疲れにくくする[運動ストレッチ]の新常識
○ デスクワークの疲れは 「脚ぶらぶら」で緩和
長時間にわたるデスクワークの疲労を少しでも緩和させるために、一度立ち上がって軽く脚を振ってみよう。脚の力を抜き、10秒ほど太ももの付け根部分からぶらぶらさせるだけで、疲れが軽減されるはずだ。
○ 姿勢による疲労は「伸び」で解消
長時間同じ姿勢をとり続けると、血流の悪化を招き、疲労が蓄積されてしまう。こうした姿勢による疲労を緩和させるためには「伸び」の運動が効果的。両手を上げて全身を伸ばし、力を抜く。これを繰り返してみよう。
○ 軽い運動は疲れを軽減させる
体内の疲労回復因子は、疲労因子がないと産生されないため、適度な運動はむしろ疲労回復に効果的だ。ただし、あくまで「適度」なことが重要。翌朝に体の痛みやだるさが残っていたら、過度な運動をしたと考えよう。