痛みとは、治すでなく、癒すもの!?
インタビュー/『 その痛み、なんとかします。 』著者・おのころ心平
Q6. ≪36のボディゾーンからの心理メッセージ≫なかに「ひざの痛みは“パートナーシップ”の不調が原因」とありますが、パートナーシップが不調になるとなぜひざに痛みが出てくるのか、そのメカニズムを教えていただけますか?
心平 パートナーとのトラブルは往々にしてあると思うので、どの部位にも症状が現れる可能性がありますが、特にひざというのは、人と歩調を合わせるときに負担がくるところなんです。「相手がこっちに行けば、私もついて行く」というように、歩調のずれがある中で強引に相手に合わせようとしたりすると、ひざに一番負担がかかります。
つまり、相手に無理に合わせようとする心理も、ひざにくる。それは人生を伴走している夫婦関係においては如実に現れて、人生において「本当は私はこっちに行きたい、でも夫がこっちを振り向いてくれない」とか、あるいは逆に「俺はこっちの方向に行こうとしているのに、妻がいつも抵抗してついて来ない」とか……、そういった人生の方向のちょっとしたズレというのが、ひざにたまる。
そうして、それをずっとためておくと、ひざを怪我したり、あるいは関節炎になったときに、本来であればすぐ治るはずの症状がなかなか治らない状態を作ってしまう、というようなことです。
Q7.本書の中で、「痛み」に関する基礎知識やセルフケアにとどまらず、施術の種類、痛み治療の歴史まで網羅的に書かれたのはなぜですか?
心平 現代ほど、色んな種類の痛みに悩まされている時代はないと、私は思っています。しかも痛みというものは、ものすごく個性的で、誰とも比較できない。どれだけ痛いかというのも誰にもわかってもらえないし、逆に誰の痛みも本当にはわかってあげられない。これはもうずっと永遠のテーマなんです。だからこそ原点に戻って、痛みがこれまでどう考察されてきたかというのを、過去の叡智と照らし合わせて知る必要があるんじゃないかなと。
カラダのアラームとしての痛みの役割を、痛みに関する偉人たちはどのように考えていたのか。それは、命をどう考えてきたか、カラダをどう考えてきたかという「生命哲学」に似たところがある。私自身も自分のカウンセリングや症状の考察のときに、こういった人たちの生命観、症状観、病理観をすごく参考にさせてもらいました。
ですから、本書の第3部では一覧の形にして、先達たちが痛みを通じて何を伝えたかったのかについて、読者の方が調べられるようにさせてもらいました。この第3部は、編集者さん、デザイナーさん、イラストレーターさんたちのおかげで、かつてない、本人そっくりのイラストつきのページができて、著者として大満足です !(笑)。
Q8.最後に、「痛み」に悩んでいる読者に向けて、ひと言お願いします
心平 その痛み、なんとかします。なんとかなります! 痛みがあること自体が生きていることの証しです。痛みそのものの向こう側には、それが改善したときの充実感や、幸福感、命のありがたさ、カラダへの感謝がきっとある。絶望しないで、希望を失わないで、痛みと向き合っていただきたいと思います。
おのころ先生、ありがとうございました!