「七福神信仰」の起源は室町時代にまでさかのぼる
知っておきたい七福神の基礎知識
宝船に乗った姿が福々しい七福神。この七福神が祀られる神社をめぐる「七福神めぐり」が近年、御朱印ブームの後押しを受け流行しはじめている。そこで七福神の基礎知識、素朴な疑問を一気に解消しよう!
●「七福神信仰」の起源は? いつ広まったもの?
室町時代、京に住む庶民の現世での利益を求める心から福の神信仰がはじまったとされる。はじめは、三神や八神など、人数にばらつきがあった。しかし、江戸中期になると各地方の寺社詣りが盛んになり、初詣で七福神巡りをする文化が江戸庶民を中心に行われたことで、少しずつ今の形に整えられていった。一説には、江戸幕府を開いた徳川家康が、人々の心を鎮めるための政策として広めたともいわれているが、定かではない。
●七福神の「七」の数字の意味は?
大乗仏教の経典のひとつ、『仁王般若経』の中に、「七福促進 七難減退」という言葉が書かれている。この「七福促進 七難減退」とは、教えを信じその教えを行えば、天災や人災など七つの厄災を払い、七つの幸福が手に入ることを指す。七福神はこの文言にあやかって、七人になったといわれている。なお、この「七つの幸福」が何を指すかは諸説ある。
●七福神の回り方に決まりはある?
寺社を訪れる順番が決まっている七福神めぐりもあるが、その多くは自由。回り方のルールは場所によってまちまちなので、訪れたい七福神めぐりが決まったら、事前に情報を集めておくと良いだろう。なお、気をつけたいのは訪れる時期。御朱印の授与期間が1月上旬~中旬にかけてのところが多い。
●押さえておきたい参拝の仕方・マナーとは?
参拝の仕方は神社と寺で異なる。神社の場合は手水舎で心身を清め、お賽銭を入れ、二礼二拍手一礼をする。お寺の場合は、一礼し手を合わせ、さらに一礼が基本。礼をしたのち、神社では手を叩いて音を鳴らすが、お寺では手を叩かず合掌すること。神社とお寺どちらにお参りする場合も、神様や仏様の住まいであることを忘れずに、節度ある振る舞いを。
〈『一個人』2017年7月号より構成〉