その「休息」で疲れは取れない。知っておきたい原因、「自律神経」の乱れ。
自律神経研究の第一人者が直伝する日本人の休み方③
副交感神経の働きが弱い現代人
──なるほど。つまり、現代人の問題は副交感神経の働きが弱くなっていることだと。
そうですね。ただ、例外はありますよ。
交感神経も副交感神経も高い理想的な人は、いつも落ち着いていて安定感があり、心身の健康が保てています。目指すべきは、こういう人です。
一方、現代人に多い、交感神経は高いけれど副交感神経が低い人は、絶えずイライラしており、血圧や血糖値が高く、生活習慣病にかかりやすい傾向にあります。
逆の、交感神経が低く副交感神経が高い人もときどきいます。おだやかなのんびり屋で問題がないように見えますが、血流が悪く、やはり病気にかかりやすい。とくに、うつ病などメンタルに注意が必要です。
交感神経も副交感神経も低い人は、体力がなく非常に疲れやすいはずです。ただ、なまじ両者のバランスがとれてしまっているために、本人は「自分は不健康である」という自覚に乏しかったりします。
交感神経も副交感神経も高い理想的な人はなかなかいません。現代人はたいてい、どこかおかしい。こうした、自律神経のバランスの乱れこそが、現代人の「疲れ」をつくっており、それを取り除くことが最も重要な「休息」なんです。
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