本当の「休息」とは「自分の時間」をつくること
自律神経研究の第一人者が直伝する日本人の休み方⑤
自律神経研究の第一人者である小林弘幸氏が、最新刊『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(ベスト新書)を上梓。順天堂大学医学部教授として患者さんの治療にあたるだけでなく、プロスポーツ選手や一流アーティストのコンディショニングにも関わる超多忙な、小林先生の「休み方」とは?
「時間がない」のは仕事のせいではない
──今回は先生ご自身の「休み方」について具体的に教えていただこうと思っています。もしかして、全然休まないとか?
そんなはずないでしょ(笑)。私も休んでいます。ただ、「休息」についての感覚が、一般的なビジネスパーソンとはちょっと違うかもしれませんね。
私にとって休息とは、体を休めることではなく「自分の時間」をつくることなんです。
現代人がストレスまみれになっていることについて、その原因は「忙しさ」にあると多くの人が考えています。しかし、私はそうは思いません。
みんな、自分で自分の時間をうまくつくりだせないことがストレスになっているのであって、それを「忙しいから追い込まれているのだ」と思い込んでいるだけではないでしょうか。
──でも、実際に忙しいから自分の時間がつくりだせないのではないですか?
「時間がない」と感じているビジネスパーソンは多いですよね。そして、その大半の人が「もっと自分で自由にできる時間がほしいけれど、仕事のせいでそうはいかない」と思っています。
このときに問題なのは、「自分の時間を自由にできない」「会社に時間を奪われている」と受け身でとらえることです。自分は時間をつくるべく努力しているのに、会社のせいでできないという流れを勝手につくってしまっているんです。
でも、私から見ると、本当は時間はあるのに、それを自分のものにできていないだけなのです。会社は案外、社員の時間を侵害してはいません。まず、その思い込みをリセットしないとどうにもなりません。
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