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河内の城・河合寺城跡①

季節と時節でつづる戦国おりおり第432回

■山城跡を2ヶ所攻めようと河内長野へ 

 まずは河合寺城(かわいでらじょう)跡。河内長野と言えば千早城・赤阪城を舞台に活躍した楠木正成が有名ですが、河合寺城もその正成による築城で、次の写真の碑は正成が軍資金を埋めたという「黄金塚」。 戦国時代には西向かいの烏帽子形城と対になって高野街道を押さえました。

 山頂に有った本丸からは堺ほかを見渡せます。次の写真のように若江城など三好氏の河内の城も遠望でき、往時は狼煙などもよく見えたことでしょう。

 河合寺城については、前出の千早城・赤阪城を守る前線拠点として河合寺の建物群を利用し城塞化したと伝えられ、城跡の東側にひろがる現在の河合寺は本来奥の院にあたるということです。ここにも河合寺城の曲輪があったということで往時は全山が城とされていたのでしょう。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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