危機に対する感度が高く市政運営をする 首長のもとに、多くのイノベーションが生まれる【コロナ後に社会はどう変わるのか(吉田雄人)】
【一個人として考える Vol.6】
アフターコロナで社会はどう変わるのか。経営者としての問題意識を交えて議論していただいた。
————前横須賀市長の吉田雄人さんは、2期8年の任期満了後、「今よりも官民が連携して地域課題を解決できる世界」の実現に向けてGlocal Government Relationz株式会社を立ち上げ、広くGR(ガバメント・リレーションズ)について関心を抱く人たちに対して自らの首長としての経験に基づいた問題解決の緒から解決方法までを「肌感覚」でわかりやすく伝えている。
◼︎同調圧力に引きずられない首長の発信力がカギ
全国自治体のコロナ対策を一覧で見られる無料のWebサイト「コロナ対策自治体最前線」を5月にオープンしました(http://covid19.graj.org/)。
コロナ対策の最前線で戦っている行政関係者に的確な判断と迅速な行動に結びつく情報を整理して届けようという想いでスタートしました。調査については(一社)日本GR協会がボランティアを募り、各自治体のホームページやオンラインニュースなどを漏れのないように調べ、サイトの構築は突貫工事で行いました。
調査を通じてわかったのは「自治体の危機感の度合い」です。いつの間にか茹でガエルになってしまいかねない鈍感な街からは、何も知恵や工夫は生まれず、国から絞り出されるお金を口を開けて待っているだけでした。一方で、刻々と変わる状況下で、財政厳しい中であっても、たとえばフェイスシールドの寄付を募ったり、ベンチャー企業と連携して医療相談サービスを提供したり、市役所窓口の混雑状況をウェブで配信したり、新たな取り組みを生み出した自治体もありました。まさに危機感の違いです。
この危機感の差はどこから生じるのか。それは、首長の感度だと思います。福岡市、千葉市、つくば市、日南市、むつ市……調査の結果で特徴的な取り組みが多かった自治体は、発信力のある首長の顔がすぐに思い浮かびます。
危機感のない多くの自治体が、すでにノスタルジーとなった「かつての姿」に戻ろうとする同調圧力を受けて、過去に引きずられていくことが予想されます。
しかし一方で、危機に対する感度が高く市政運営をする首長のもとに、今後多くのイノベーションが生まれることを予言したいと思います。
(『一個人』夏号より)
【参考資料】
83の自治体トップが参画する 全国青年市長会と日本GR協会が連携! 若手市長がリレー形式で登壇するGR勉強会を毎月開催します
吉田雄人さんは「家で暮らすことができない若者」支援のNPO法人も運営されています。詳しくは、こちらです。
NPO法人なんとかなる
https://nan-toka-naru.net/