田母神俊雄が獄中で考えた。本当の“保守”とは。
田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第2回
「閣下」の愛称でおなじみの田母神俊雄は2016年4月14日に逮捕され、厳しい取り調べを受け、東京拘置所で169日間勾留された。その時に田母神がメモした論考が熟成され、最新刊『日本の敵』(KKベストセラーズ)で著された。閣下は獄舎で何を思ったのか。獄中ノートとともに掲載する。
「日本と日本人への思い」のために
記された獄中ノート
「東京拘置所に169日間に及ぶ勾留されてしみじみと思ったのは、保守と“ひとくくりに”されるものの中に“見せかけ”だけの保守がいて、これが一番厄介な“内なる敵”ではないかということだったんだね」と田母神は語った。
さらに田母神は、保守と言っても、その中には「アメリカ派保守」、「中国派保守」そして「日本派保守」と大別する。そして「日本派」は少数だと田母神自身、身をもって知った。
では、そもそも田母神にとって「保守」って何なのだろうか? 田母神はこう答えた。
「簡単に言えばね、日本の伝統や歴史を大切に思いながら、しかし、日本という国を脅かし、弱体化させようと勢力と向き合い、戦うのが保守だと思っている。でも、中には保守だと見せかけることで金儲けをする者たちがいるんだよ」
田母神は、自らの獄中での生活で、巧妙で狡猾なうわべだけの保守主義者がいかに多かったかと思い知った。そしてこう続ける。
「長い時間をかけて最適化された日本社会がこの20年の間に平気でぶっ壊されてしまった。このぶっ壊した連中ってのが、保守を名乗り、日本の国益を謳いながら、ホンネは自分が儲けるために、日本人を苦しめていたんだからね。それこそ私物化だよな」
田母神は、自らの航空自衛隊の頃を振り返りながらこう続けた。
「自分の国が自分たちで守れない。そういう仕組みになっているのが防衛産業なんだよ」と。