日本社会をぶっ壊す! グローバリズムこそ日本の敵だ
田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第3回
日本を取り戻すこと、それは
日本人を幸せにする「生活の知恵」の復権
田母神の戦いは、もともと「古き良き日本を取り戻す」ことにある。しかし、この20年は、田母神の思いと裏腹に日本社会がぶっ壊され、国民は不安に怯え、疲弊した社会になってしまった。それは、グローバリズムという名の日本のアメリカ型社会への「改革」であった。
その過剰に急展開させた結果、先述した終身雇用制が崩れた。さらに極端に過剰適用すべく保護された人材派遣会社の数は、今やアメリカの5倍とも言われる。
奴隷仲買人(ピンハネ屋)が、人を「道具=労働力商品」としてだけ粗悪に扱う始末。こうした雇用の不安定化が国民の日々の生活を蝕み、果ては、日本国民は安心から不安へと戦い生きなければならなくなった。田母神はそうした状況を憂いてこう語る。
「グローバリズムで世界が豊かになるなら、それは良いことだ。しかし、そうはならないばかりかなった試しがない。歴史が証明している。イギリス、アメリカの弱肉強食の帝国主義、独裁を生んだソ連の共産主義然り。必ず、少数の勝者(金持ち)と多数の敗者(貧困)を生み出し、格差社会をもたらしてしまうからだ」
では、グローバリズムから抜け出るためにどうすればいいのだろうか? 田母神は続ける。
「それぞれの国、国民には伝統、文化がある。そうした歴史的な営みをぶっ壊す改革は必ず無理が生じる。だから、まず日本であれば、祖国日本に自信と誇りを取り戻さなければならない。これまでの伝統や文化の中に日本人が幸せになる生活の知恵がいっぱいあるからだ」
田母神の「日本を取り戻す」という言葉の意味が極めて明らかになってきた。
生活の知恵に基づいた国家の最適化である。それは、古き因習や価値観のゴリ押しではない。日本人が安心して、自然に生きやすくなるシステムの再構築である。つまり、グローバリズムとは正反対の「多様性」に基づく持続的な日本社会再編を意味するのだ。