日本復活への道は「官僚」にあり。政治主導の意味を履き違えている
田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第4回
結局政府が頑張らなければ、その中でも総理や大臣が頑張らなければ国益は守れない。
上が頑張れば官僚も頑張れる。しかし上がアメリカの言う通りにしろと言えば官僚も
その通りにせざるを得ない。昔は官僚が頑張って対米交渉もきちんとやって来ていた。
上が頑張れば官僚も頑張れる。しかし上がアメリカの言う通りにしろと言えば官僚も
その通りにせざるを得ない。昔は官僚が頑張って対米交渉もきちんとやって来ていた。
しかし“官僚が悪い”という情報戦争をアメリカから仕掛けられ、政治家もマスコミも見事にこ
れにはまった。ノーパンシャブシャブやらゴルフ旅行やら未公開株などで官僚が叩かれた。
日本の政治家でさえ官僚は自分たちのためだけ頑張る人種だと思わされ、政治主導だと騒ぎ出した。小沢一郎などが官僚叩きを始めた。しかし政治家が行政の細部に精通し、最良案など自ら作れる訳がない。
政治家が大きな方向性だけを示し、あとは官僚の力を使えばよいのだ。日本が永年かけて作り上げた日本的政治システムを壊し初めた。それが改革だ。改革という名の日本ぶち壊しなのだ。
官僚が案を作り、その中から利害得失を考えて政治家が最終的に決断する。それは立派な政治主導だ。今の日本は公務員叩きがファッションになっているが、公務員の不祥事はあっても、全ての公務員が悪い訳ではない。多くの公務員はまじめに頑張っているのだ。
公務員、特に中央省庁で頑張っている人たちの処遇をもう少し良くしてあげなければいけない。そして仕事をやる上での自由を確保してあげなければいけない。いわゆる政治主導をぶち壊さなければならない。それが日本復活の道だ。
(『獄中ノートNo.3』2016年6月29日)