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日本復活への道は「官僚」にあり。政治主導の意味を履き違えている

田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第4回

官僚叩きの「情報戦」で本当に得したのは誰だ!?

「官僚叩きなんかまさにそう。ここ15年間くらい、政治家によって政治主導が叫ばれ、行政の調整と推進役である官僚がことごとくマスコミで叩かれましたよね。叩く理由は何だったのか? 誰が本当に得をしていたのか。日本の政治的プロセスを見れば、政治家よりも法を熟知し、タフな交渉ができる官僚の能力が極めて高いことを外国は知っています。特にアメリカはね」

 まさか、官僚叩きの「世論」の出どころもまさかアメリカ! どこまで「情報戦」を徹底的にヤるんだアメリカの「日本潰し」! 逆に言えば、アメリカは必ず目的達成のためにはトコトンやり抜く実力があるとも言える。タフな日本の官僚を日米交渉の舞台で「活躍させない」という目的だ。

 私たちが「ノーパンしゃぶしゃぶ事件(1998年)」で官僚叩きをしている渦中は、まさにアメリカによる「日本改造(年次改革要望書)」により「拒否できない日本」とされた時期とかぶっている。では、この現代の情報戦に勝ち抜くためにはどうすればいいのか? 田母神はこう語る。
「行政の細部に通じる官僚がアイデアを出し、政治家が決断するというこの当たり前の流れに戻せばいいだけです。それが日本型の政治主導だったはずです」

 官僚の能力を最大化し、政治家が不退転の決断とそのケツ(責任)を取る。
 昨年の田中角栄ブームの一番の重要な視点である。
「角さんのような“分業”ができるか。日本復活の道は、まず、官僚の復権です。これで、国民の声をきちんと捉えた政策が出て、日本国の問題点が、しっかり見通せるはずです」

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田母神俊雄

たもがみ としお





1948年、福島県郡山市生まれ。



71年、防衛大学電気工学科(第15期)卒業後、航空自衛隊に入隊。



地対空ミサイルの運用幹部として部隊勤務10年。



統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを歴任。



2007年、第29代航空幕僚長に就任。約5万人の空自トップとなる。



08年10月31日、民間の懸賞論文へ応募した作品(「日本は侵略国家であったのか」)が



政府見解と異なり、幕僚長を更迭。



同年11月3日付で定年退職。



その後は執筆・講演活動で活躍しながら自らの信念を実現すべく政治に参画。



14年2月9日、東京都知事選挙に立候補するも4位落選(61万865票)。



同年12月14日、第47回衆議院選挙に立候補し落選。



16年4月14日、「2年前」の都知事選における公職選挙法違反容疑で逮捕。



検察の厳しい取り調べを受け、東京拘置所に勾留169日間。



「無罪」を訴え、法廷闘争を繰り広げる。



17年5月22日、東京地裁にて有罪判決。



同年6月2日、東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴。



著書に『自らの身は顧みず』(WAC)、『田母神塾』(双葉社)、



『田母神大学校』(徳間書店)、『田母神俊雄の戦争論』(電波社)など多数。


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