日本復活への道は「官僚」にあり。政治主導の意味を履き違えている
田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第4回
官僚叩きの「情報戦」で本当に得したのは誰だ!?
「官僚叩きなんかまさにそう。ここ15年間くらい、政治家によって政治主導が叫ばれ、行政の調整と推進役である官僚がことごとくマスコミで叩かれましたよね。叩く理由は何だったのか? 誰が本当に得をしていたのか。日本の政治的プロセスを見れば、政治家よりも法を熟知し、タフな交渉ができる官僚の能力が極めて高いことを外国は知っています。特にアメリカはね」
まさか、官僚叩きの「世論」の出どころもまさかアメリカ! どこまで「情報戦」を徹底的にヤるんだアメリカの「日本潰し」! 逆に言えば、アメリカは必ず目的達成のためにはトコトンやり抜く実力があるとも言える。タフな日本の官僚を日米交渉の舞台で「活躍させない」という目的だ。
私たちが「ノーパンしゃぶしゃぶ事件(1998年)」で官僚叩きをしている渦中は、まさにアメリカによる「日本改造(年次改革要望書)」により「拒否できない日本」とされた時期とかぶっている。では、この現代の情報戦に勝ち抜くためにはどうすればいいのか? 田母神はこう語る。
「行政の細部に通じる官僚がアイデアを出し、政治家が決断するというこの当たり前の流れに戻せばいいだけです。それが日本型の政治主導だったはずです」
官僚の能力を最大化し、政治家が不退転の決断とそのケツ(責任)を取る。
昨年の田中角栄ブームの一番の重要な視点である。
「角さんのような“分業”ができるか。日本復活の道は、まず、官僚の復権です。これで、国民の声をきちんと捉えた政策が出て、日本国の問題点が、しっかり見通せるはずです」