《JR大糸線と篠ノ井線》青春18きっぷフル活用「リゾートビューふるさと」の旅【女子鉄ひとりたび】15番線
高原で出会った素敵なエピソード・前編
元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。季節はまさに夏本番! 乗りテツなら必需品の「青春18きっぷ」を使ったお得で大胆な旅の楽しみ方を、達人である彼女がおしえてくれます。今回、目指すのは信州・安曇野の地。ここでどんな素敵な出会いが待っているのか、乞うご期待!
■こんなオシャレなリゾート列車にも乗れるのが嬉しい♡
東京・名古屋・大阪の三大都市からも、日帰り圏内の長野エリア。
北部の山岳地帯を走るJR大糸線と篠ノ井線は、いつ行っても絶景を見せてくれる癒し路線だ。
この両線の長野〜南小谷(みなみおたり)間を走る観光列車「リゾートビューふるさと」は、美しい風景を堪能するのにうってつけ。前面・側面の窓は眺望を楽しめるよう大型のものが採用されていて、車窓には北アルプスの山並みが流れていく。標高が高い場所を走り、避暑地としても最適な路線だ。
真夏のある日、年々暑さを増す東京からとにかく逃げたくなり、「青春18きっぷ」でひたすら中央線を西進して長野を目指した。「リゾートビューふるさと」は快速列車なので、指定席券520円を追加購入するだけで「青春18きっぷ」でも乗車ができるバリューな列車なのである。
長野駅のホームでは、モンベル製の登山着を着た女性アテンダントさんが乗客を迎えていた。夏はこの恰好が制服になるそうだ。
出発すると、手作りのブローチ、箸置き、手書きのメッセージカードなどを配りながら巡回する。近年、このような女性的感性を投影したサービスが、各社で広がっている。そのおかげで、鉄道は全く別の表情を見せてくれるようになった。女性が設計に関わる車両も登場していて、これまでとは異なる新しさが広がりつつあると感じる。
車内では安曇野(あずみの)地域の方言による民話の語り、尺八・太鼓の演奏など、地域に根ざしたイベントも実施され、お祭りのような時間が流れていく。
客席には車内販売も回ってくる。少し前までは新幹線や特急などの大部分で実施されていた車内販売も、今ではレアな存在となった。座席にいながら買い物ができるのも、今や付加価値の高いサービスとなっている。元・車内販売員の私は、その所作が気になってつい見入ってしまう。それはお局(つぼね)のような視線ではなく、当時の自分との違いを見つけると新鮮な気持ちになれるからだ。
とくに観光列車の車内販売は、スタイルに自由度があって面白い。例えば、手書きメニューやPOP、お客さんの呼び込みにアドリブも盛り込まれていて個性的。この列車にワゴンは見当たらず、ピクニックに持っていくような木のカゴに商品を並べて回っていた。
最近は決められたマニュアル通りにやるのではなく、お客さんを楽しませるためなら、多少のルール逸脱は許容されるようだ。
元気にきびきび販売している後輩たちの姿を見ると、なんとも頼もしく感じるし、楽しんでやっている気持ちが伝わってくる。そんな販売ができることがちょっぴり羨ましい。
この列車のメニューで強く推したいのが、信玄餅(しんげんもち)アイス。濃厚なバニラに黒蜜と餅が入る絶品アイスだ。最近はバニラや抹茶だけでなく、りんご味、コーヒー味、沿線の有名店とコラボした商品も増えて、そのレパートリーが楽しい。
- 1
- 2
KEYWORDS:
■水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年1月11日~1月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:1月15、16、18、19、20日
■「女子鉄ひとりたび」サイン本は完売! ブロマイド付は発売中!
イベント当日に来られなかった人のために、木村裕子さんが心を込めて、一冊一冊にサインを入れた本。
2019年の年末に限定部数で販売されていましたが、速攻で完売御礼!
なお3種類の「オリジナル・ブロマイドつき」の本は今も販売中ですので、お早く以下の書店へどうぞ。
販売場所:
書泉グランデ 6F鉄道コーナー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3-2
書泉ブックタワー 5F鉄道コーナー
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1丁目11-1