「北朝鮮はすでに核ミサイル開発に成功している可能性が高い」軍事専門家たちの分析
【北朝鮮の軍事力】を軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏が徹底解説2/3
・ミサイルを除いた北朝鮮の軍事力は大したものではない。「特殊部隊」も実態は「軽歩兵」。
・ミサイルで実戦配備されているものは、代表的なものでノドン、スカッドER。馴染みのある「ムスダン」や「テポドン」は戦力外と考えていい。
・「北極星1」と「北極星2」というミサイルの実験に成功した。「北極星2」は射程は1200km以上。日本列島の大部分が覆われる!
→北朝鮮の特殊部隊、恐るるに足らず。しかしミサイルは日本を「完全に射程圏内」
●北朝鮮はすでに核ミサイル開発に成功している可能性が高い
トオル…そういえば北朝鮮って核実験もよく行っていますよね?
黒井(黒井文太郎:軍事ジャーナリスト)…そうですね。核爆弾をノドンなどのミサイルの弾頭に積めば、いわゆる「核ミサイル」となります。もし北朝鮮が核実験に成功し、核弾頭を搭載したミサイルを持っていると、それはすなわち日本にとっての本当の脅威となります。
シズカ…実験はやっているけど、日本政府を始め、アメリカや韓国は「(核ミサイルは)できていない」というスタンスを取っていますよね。その背景には「北朝鮮との交渉を有利に進めたい」という狙いがあるのかな。
トオル…そんな外交上の「メンツ」を気にせず、国民にリアルな情報を知らせてほしい!
シズカ…その通りだわ。実際にはどうなんでしょう?
黒井…私を含め、専門家たちの間では「北朝鮮はすでに核ミサイル開発に成功している可能性が高い」という見解が多いです。その理由は2つ。北朝鮮は去年の1月に4回目の核実験を行いましたが、その実験以降「核ミサイルの技術を確立した!」と大々的に発表するようになりました。
シズカ…あれ? 昔から言っていたんじゃないかしら。
黒井…3回目の核実験の際にも宣言していましたが、当時は慎ましやかでした。ですが、今回はトーンがまったく違います。北朝鮮は大げさに言うことは多いですが、軍事面ではまったくの嘘を言うことはあまりありません。さらに、悪い知らせがもう一つあります。
トオル…もう勘弁してください!
シズカ…キャー!
黒井…米韓軍は北朝鮮との有事を想定した作戦計画を作っていますが、一昨年作られた新たな作戦計画は「北朝鮮が核ミサイルを持っている」ことを前提としたものになりました。具体的には「北朝鮮が攻めてきたらどうするか」から「北朝鮮がミサイルを打つ兆候があればどう先制攻撃するか」と具体的な作戦に変わってきています。最新の北朝鮮情報を持っているはずの米韓軍当局が、北朝鮮の核ミサイル武装を現実のものと考えているわけです。