金正恩政権崩壊で、核ミサイルが日本に!? 迎え撃つ「3つの準備」 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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金正恩政権崩壊で、核ミサイルが日本に!? 迎え撃つ「3つの準備」

【北朝鮮の軍事力】を軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏が徹底解3/3

●日本政府が立てている3つの対策

黒井…それともう1つ悪い話があるのですが、北朝鮮は先日、射程4500kmの液体燃料型の中距離ミサイル「火星12」の発射実験に成功しました。火星12はグァム島の米軍基地を狙うミサイルですが、日本を狙うこともできます。このミサイルは非常に早く、おそらくSM-3やPAC-3では対応できません。

シズカ…予断を許さない状況だけど、日本の政府は対策を立てているのかしら。

黒井現在、主に3つの方法が検討されています。1つめは、敵基地攻撃能力を備えること。アメリカ軍も配備しているトマホークミサイルを購入する計画です。射程距離が3000kmと長く、誤差も10m程度。このミサイルをアメリカから購入し、北朝鮮がミサイルを発射する前に敵の基地を打てばいいというプランです。

トオル…なんか効果ありそう!

黒井…標的が固定されたミサイルであれば効果はあるかもしれませんが、移動式の発射台の場合、発射前に発見するなどほぼ不可能ですから、効果は見込めませんね。北朝鮮のミサイルを発射前に破壊するなど、現実には夢物語です。

トオル…ぬぬ、そうなると2つめが気になる。

黒井「早期警戒衛星」の導入ですね。ミサイルは撃った瞬間に高熱の噴射煙が出るため、それを赤外線探知でキャッチするというシステムです。今はアメリカ頼みなので、「日本でも早期警戒衛星を持とう」という話があるのですが、実はわざわざ買う必要はないのです。同盟国であるアメリカがキャッチした情報を日本に出し惜しみするわけがないですから。

シズカ…じゃあ3つめに期待したいわ。

黒井3つめがミサイル防衛の強化ですね。イージス艦とPAC-3に加えて、第三のミサイル防衛システムを買おうというプランです。「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」と陸上版イージス・システムである「イージス・アショア」が候補ですが、どうやらイージス・アショアに決まりそうです。

トオル…THAADは僕でも聞いたことあるぞ! 最近、韓国に配備されて話題になっていたやつだよね。

黒井…そうですね。非常に精度が高く、射程は200km。東京に配備すれば関東圏を、大阪に配備すれば関西圏を守ることができます。このTHAADは私が一番推薦したい防衛システムですね。非公式で試算が出ているのですが、1個部隊で1250億円。日本の主要都市部を防衛するのに6個部隊を揃えるとすると、7500億円が必要です。

シズカ…安くはないですね。でも国民の安全を守るためを考えたら決して高くない。。
黒井…国の予算の都合上、THAADの購入に7500億円使った場合、防衛予算の中から他のものを削らないといけません。実はそこがネックで、「どこを減らすのか」という問題があります。

シズカ…もう一つのイージス・アショアとは?

黒井イージス艦に積んでいる迎撃システムを陸上に置くタイプ。イージス艦と違って隊員の交代制で24時間365日の運用が可能になります。射程は1200kmなので、2つ配備すれば日本列島を完全カバーできます。2セットで1600億円とTHAADに比べてリーズナブルですから、政府はこちらを導入する方向で動いています。自衛隊としても、まったく新たなシステムであるTHAADよりも対応が容易です。

トオル…費用はTHAADの5分の1以下ですね。

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