中世の人も勉強熱心! 江戸時代以前でも識字率は高かった?
ニャンと室町時代に行ってみた 第6回
「おかしな猫がご案内 ニャンと室町時代に行ってみた」より。室町時代の人々の暮らしにまつわるエトセトラ。寺子屋制度の礎があった。江戸時代以前の庶民教育の話。
戦国時代、すでに識字率が高かったとか
日本人は伝統的に教育熱心で、特に江戸時代における教育水準は世界的に見ても高く、庶民の8割が寺子屋や手習い師匠に通い「読み、書き、そろばん」を学んでいたといわれています。そうした庶民教育の素地は中世にでき上がっていたというのがマンガのテーマでしたが、実際はどうだったのでしょうか。
中世日本の教育が進んでいたことは、戦国時代に来日した宣教師の言葉からもうかがえます。フランシスコ=ザビエルは「大部分の人々は、男性も女性も読み書きができ、特に武士や商人は際立っている」と述べ、ルイス=フロイスは島原を訪れた際に「この地の男子・女子はほとんどみな読み書きを知っている」と識字率の高さを指摘しています。読み書きばかりではなく、庶民も男女を問わず和歌や連歌、漢詩の素養を身につけていたことは、狂言や御伽草子などの史料から読み取れるといわれています。