中世の人も勉強熱心! 江戸時代以前でも識字率は高かった?
ニャンと室町時代に行ってみた 第6回
中世から続く日本人の勤勉さや好奇心
『平家物語』など琵琶法師による語りも、仏教・儒教に関する知識や道徳観を養うのに重要な役割を果たしたと考えられます。室町時代は平家語りの最盛期といわれ、貴族や武士の邸宅だけでなく、寺院や御堂など庶民の集う場所で盛んに演じられました。特に寺院で行われる場合は、約1か月にわたって『平家物語』全巻を語る「勧進平家」という興行形態が多く、その気になれば全ストーリーを耳にすることができました。
以上、中世における学びの機会を紹介しましたが、制度や設備面では必ずしも十分な教育環境が整っていたとはいえません。その中で、外国人宣教師を驚かせるほどの教養を備えるに至ったのは、何よりも日本人の勤勉さや好奇心の高さによるところが大きいでしょう。勉強といえば受験の道具と捉えがちな現代人も、学ぶところが多々あるのではないでしょうか。
<『おかしな猫がご案内 ニャンと室町時代に行ってみた』コラムより>