手越祐也に広瀬香美、宮迫、木下、中田。都落ち感漂う芸能人のYouTuber化を考える
しくじり芸能人「俺みたいになるな!! もしもなったらYouTubeへ行け!」
■リバイバル浮上を狙う芸能人YouTuber
芸能人のYouTuber化が目立つ。それぞれの事情、それぞれの需要によるものだろうが、全体的に漂うのは、都落ち感だ。本業あるいは本拠地でもっと売れていれば、そこまではしないだろうと感じてしまうのである。
ちなみに、芸能人YouTuberランキング(「週刊朝日7月24日号」)によれば、チャンネル登録者数のトップ3は中田敦彦(オリエンタルラジオ)、江頭2:50、カジサック(キングコング・梶原雄太)。このクラスの芸人であっても、国内トップ3のHikakin、はじめしゃちょー、フィッシャーズのチャンネル登録者数には遠く及ばない。当然、得られる収入も比較にならないわけだ。
にもかかわらず、YouTuber化する芸能人のなかには、本業でやっていけなくなったためにやむをえず的なパターンも多い。たとえば、宮迫博之(雨上がり決死隊)は「週刊女性」の取材に「YouTubeを一生懸命やるのは当たり前」としたうえで、
「『テレビに戻らない』っていうのは、周りが勝手に言ってるだけですよ。うちのチーム全員がそこを目指して頑張ってくれている」
と、あくまでテレビ、それも地上波への復帰が「最優先事項」だと主張。そのためのステップであることを明かした。それでも、こうした取材が来るぶんだけ、TKOの木下隆行よりはマシかもしれない。
ではなぜ、宮迫がテレビに戻りたいのかといえば、YouTubeが「辺境」だからだ。つまり、彼にとっては「左遷」なのである。いくら新たな娯楽メディアとして持ち上げられようとも、世間の大多数がそこに抱くイメージはまだまだ野蛮な無法地帯というところだろう。
たとえば、フワちゃんというタレントがいる。芸人として世に出ようとしたがパッとせず、YouTubeに活路を見い出してブレイク。おちゃらけた言動や下品な雰囲気がいかにもYouTuber上がりという気がして、彼女がテレビに出ているとチャンネルを変えるようにしている。これは筆者に限らないようだ。
また最近、YouTube動画での奇抜なパフォーマンスが面白がられて復活した広瀬香美にしても、懐メロ歌手が久々に脚光を浴びてまんざらでもない感じがちょっと痛ましい。そういえば、昨年「あさイチ」に元SMAPの草彅剛が出演した際、彼のYouTube動画も紹介された。が、どうしてもふざけた印象が伝わってしまうため、朝のNHKにはそぐわないと感じたものだ。
もっといえば、へずまりゅうのような迷惑系YouTuberという存在もいる。逮捕されたあげく、コロナ感染まで拡大してしまった。ともすれば、犯罪的なイメージまで連想させてしまうあたりが「辺境」たるゆえんだ。
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『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)
宝泉 薫