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社員教育の難しさ。ジャパネットたかた創業者・髙田明氏に聞く

髙田明さん7月毎日更新 Q11. 社員教育における「伝え方」のポイントを教えてください

長年テレビショッピングの司会を務め、数々の商品の魅力を伝えてきた、ご存知ジャパネットたかた創業者・高田明さん。社員や部下への「伝え方」にも人一倍心をくばる。ポイントは、抽象的ではなく、具体的に伝えること。

――社員の方の考え方や意識にずれを感じた際には、直接伝えたり議論されたりしていらっしゃるのでしょうか?

 直接言いますよ、百回でも千回でも言います。いえ、本当は千回も言うというのは、だめなんですけどね。同じことを何度言っても伝わらないことがあるというのは、「伝える」ことの難しさですね。

 社員に何かを伝える時に気を付けているのは、なるべく具体的に話す、ということです。抽象的な指導では伝わりませんね。抽象的な伝え方とはどういうものかと言いますと、「トートロジー」という言葉があります。これは、堂々巡りということです。例えば、「人間は人のために生きなければいけない」というのは抽象的ですよね。伝わらない。こう言われたら、具体的にはどうするのか、ということが分かりませんから困っちゃいますよね。

 仕事の指示においては、具体的に「あなたは●●をして会社に貢献してください」というように、会社側が方針を社員ひとり一人に具体性を持って伝えて、実現のために動かないと、言葉だけになってしまいます。

 それは、ビジネスに限った話ではないと思います。たとえばサッカーや野球といったスポーツの世界でも、「●●リーグで優勝しよう」「優勝するには強くならなければならない」としか言っていないようでは、抽象的でだめなんです。指導する側が「成果を出すにはこうしていくべきだ」という具体的な方策を打ち出すからこそ、それぞれが成長できる。

 だから社員や部下に対しては、なるべく具体的に伝えなければいけないのですが……その点については、わたしもまだまだ勉強の途中と言えるかもしれません。
 

明日の第十二回の質問は、「Q12.「将来」についてどう予測されますか」です。

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髙田 明

たかた あきら

1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーへ就職し通訳として海外駐在を経験。

74年に父親が経営するカメラ店へ入社。86年に「㈱たかた」として分離独立。

99年に現社名へ変更。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、

その後テレビ 、チラシ・カタログなどの紙媒体、インターネットや携帯サイトなどでの通販事業を展開。

2012年には、新たな拠点として東京にオフィスとテレビスタジオを開設する。

2015年1月に「㈱ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「㈱ A and Live」を設立。

2017年4月、サッカーJ2クラブチーム「㈱V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任。

「㈱A and Live」社名の由来:今を生き生きと生きる世の中にしたいという想いから


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