国民を守った自衛官は、殺人や傷害で起訴される可能性が高い
日本の軍事力 自衛隊を阻むものの正体②
こんな行動制限を受けていれば…
戦闘の常識からすれば、相手を徹底的に叩くのが普通でしょう。そうでなければ、こちらがやられてしまうからです。しかし、たとえ日本船舶を撃沈し多数の死者を出した外国軍艦であっても、相手が攻撃をやめたら、これを見逃さなくてはならないのです。追撃して敵に被害が出たら、指揮官は殺人や傷害罪に問われることになります。もちろん自衛隊法にも違反します。敵が次に攻撃を開始するまで(また先に撃たれるまで)、やはり手を出せないのです。
こんな行動制限を受けていれば、負けるに決まっています。
ミサイル戦の時代ですから、先制攻撃を受ければ致命的です。反撃する前に沈められるか、大被害を蒙ることになるのはあきらかです。日露戦争の日本海海戦のように、相手の射撃を受けつつ肉薄し、後から有効弾を浴びせるわけには行かないのです。先に撃たれたら終わり、というのが現代の海戦なのです。
(『日本の軍事力』より構成)
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