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九度山訪問記②

季節と時節でつづる戦国おりおり第437回

真田庵、敷地の中心にある真田昌幸さんのお墓。

慶長16年(1611)に赦免を待ちわびていた昌幸さんが願い虚しくこの地で世を去ったとき、長男の信之さんが弔いをしたいと徳川家康腹心の本多正信に打診したところ、「昌幸は幕府の罪人だから、許可が必要だ」と心折れるような扱いを受けています。
2代将軍となっていた秀忠は、昌幸が死んでも許す気持ちはさらさら起こらなかったのでしょう。

真田庵の南門。面する道路も石畳で奇麗に整備されており、往年とはまるで印象が違います。
 北門に戻り表へ出ると、隣りにおそば屋さんが出来ていました。その名も「紀州九度山真田そば そば処 幸村庵」。

伺うと大河ドラマ以前から古民家を改装し営業されているということで、ためしにざるそばとかけそばの両方がセットでいただける御膳を注文したところ、これが結構うまい!そばは二八でみずみずしくしゃっきり、つゆもしっかり腰の強い味。あ、決してアド広告ではありません(笑)。
そばの名産地・信州から来た幸村(信繁)が伝えたというコンセプトのもとでオープンしたお店とのことで、それは美味くなければならないのです、絶対。お代は、6文(現代の価値で120円程度?)ではありませんでした。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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